ドイツの新型ICE車両 ICE4 昨年12月より営業運転中/ New German ICE4

さて今回も引き続きドイツネタですが、昨年末から新世代のICE車両として営業運転を開始したのがこのICE4です。

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このICE4車両は昨年12月から運転を開始し、今のところ、主にハンブルク⇔フランクフルト⇔シュトゥットゥガルト⇔ミュンヘン間のICEに使用されています。このICE4の特徴は、最高時速は250キロに抑えるなど高速性能は控えめにして、その分効率や環境性能を重視し、ドイツ内の各線で汎用に使用できるように造られた車両という点です。つまり300キロを超える高速性能などを追求した現在のフラッグシップのICE3の後継というわけではなく、メインルートから準幹線までそこそこの高性能でいろんな路線で使えるマルチ車両といったところでしょう。

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外観のデザインはICE3に比べるとエッジの効いたスタイリングで、やや好き嫌いが分かれそうですが、カラーリングはもちろんホワイトとレッドのDBカラーで、新しいICE車両としての新鮮なイメージは伝わってきます。

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乗車してみると室内のインテリアもややシンプル目で、プラスチック素材を多めにつかったライトな雰囲気です。今までのICE車両のゴージャス感などは余りありませんが、さっくり乗るにはいい感じに思います。車内にはもちろん今までのICEと同様にレストラン車両なども連結され、またもちろん車内WIFIは完備しています。

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スマートでクレバーな位置づけの新しいICE車両と言えるのでしょう。これから初代ICE車両のICE1のリプレースや、現在はICとして運転している列車のICE化に、このICE4が使用されていく予定です。今後はドイツ内のICEネットワークでは一番の高速メインルートはICE3、それ以外は主にICE4が使用されていくことになり、ドイツ旅行でも乗り合わせる機会が増えるでしょう。またさらにドイツでの列車利用が便利になりそうです。

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ドイツ⇔スイス⇔イタリアの直行のECがペンドリーノ車両ETR610で運行中/ EC train Germany-Italy via Swiss!

今回もドイツ関連の情報になりますが、昨年12月のスケジュール改正から、フランクフルトとイタリアのミラノを直結する国際列車ECが運行をスタートしています。途中スイスを越えて両国間を結んでいるのですが、これまでドイツとイタリアを結ぶ直通列車は夜行列車のみでしたので、昼間の列車の運行はなかなか画期的なことです。

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この新しいECは、車両に関してはご覧のようにイタリアのETR610というペンドリーノ車両(車体傾斜機能付車両)を使用しています。この車両は最高速度250キロを出しつつも、山沿いでカーブの多いルートでも車体を傾けて早く走ることが可能で、こうしたスイスのような山の多い区間でその威力を発揮するというわけです。この車両がドイツに乗り入れるのは初めてで、こうしてフランクフルトの駅でICEなどと混じって見かけるとなかなか新鮮です。

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山岳路を早く走れるとは言ってもフランクフルトとミラノ間はもともとかなりの距離がありますので、トータルの所要時間としては7時間半くらいの所要時間となります。通しで乗るにはやや長めの所要時間ですが、途中のスイス内ではルツェルン湖やルガーノ湖などの湖の景色や切り立ったアルプスの山々などなかなかの車窓風景を楽しませてくれます。また2016年に開通した新ゴッタルトトンネルも通るのも話題性があります。

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この列車は全区間を通しで利用するのももちろんですが、ドイツ内では途中でマンハイムやカールスルーエ、フライブルクなどの各都市にも停車しますので、ドイツの南部あたりとスイス南部やイタリアとの間で利用するのにも便利だと思います。ドイツとイタリアの間を移動しながらスイスの景色も楽しめる、なかなかお勧めの列車ですので、今後ぜひご利用ください。

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フランクフルト空港駅 ICEとSバーンは別ホームから発着/ Frankfurt Airport stations

さて今回は1月の旅行でも立ち寄ってきたフランクフルトの空港駅です。フランクフルトはドイツの空の玄関として日本から多くの直行便も運行する旅行客にメジャーな都市で、ここの空港にはフランクフルト市内はもちろんドイツ各地やさらに周辺国への直通列車も発着する空港駅があります。

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ご存知の方も多いかと思いますが、この空港駅は実は空港内に2か所あります。上の画像の案内表示でお分かりになると思いますが、近距離線用のREGIO駅(Regionalbahnhof)と長距離線用FERN駅(Fernbahnhof)で駅ホームが別に分かれているのです。なおbahnhofはドイツ語で駅を意味します。

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その1つめの近距離線用のREGIO駅は空港ターミナル直下の地下にホームがあります。

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ここは空港ターミナルからわりとすぐで、近郊列車のSバーンが頻繁に発着し、フランクフルト中央駅(HBF)やヴィースバーデンなどの近郊エリアはここから乗車することになります。中央駅へは10分おき位に頻繁に運行していますので、特に出発時間などを気にすることもなく、そのまま駅ホームに行って次の電車を待つことになります。

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そしてもう1つがICEなどドイツ各地やヨーロッパ周辺国などとのICEやICが発着する長距離列車用のFernbahnhofです。ちなみにFernはドイツ語で「遠い」の意味になります。

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ここは空港ターミナルからは少し連絡通路(連絡橋)を歩いた位置にあり、REGIO駅とは違って地上にホームがあります。画像にあるように窓口や案内所、レストランなどもあって、ここから各地へ移動する旅行者のための駅機能が整っています。

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このようにフランクフルトから列車に乗る場合はその行き先によって乗る場所が変わってきますので、初めて行かれる方などは利用の際注意してください。ちなみにREGIO駅もFERN駅もターミナル1内にありますので、ターミナル2に到着した場合はいずれにしても空港内のアクセス電車か連絡バスでターミナル1へ移動が必要となります。(ちなみにドイツではデュッセルドルフの空港駅も似た感じで市内へのSバーンと各地へのICEなどの駅が別々になっています)

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フランクフルト空港からのドイツ内の移動には、こうした駅ホームが2箇所ある点を理解したうえで、ぜひICEやICそしてSバーンなどの列車をご利用ください。

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ロシアの高速列車サプサン モスクワ⇒サンクトペテルブルク/ Russian train Sapsan Moscow to St.Petersburg

サプサンはモスクワを出発すると、ほどなく市街地を抜けて、その後は原野といった感じの車窓風景の中を走行していきます。冬なので大体は雪に覆われていますが、時々川や湖沿いにも走り、それほど単調という感じでもありません。ICEベースの車両ということもあって特に揺れなどもなく車内はなかなか快適です。

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今回は特等(FIRST)の利用でしたので、まずは車内では毛布や枕、またスリッパやアイマスクなどのアメニティグッズが配られます。雑誌や新聞も好きなものを選ぶことができます。

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またこの特等(FIRST)には食事のサービスも付いていて、今回は9時半位発の便でしたので、朝食がサーブされました。ちょっとロシアっぽさもあってなかなかの味です。今回は朝なので頼みませんでしたが、希望すればビールやワインを飲むこともできます。

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そして食後はコーヒーとデザートも付いていてフルサービスといった感じです。デザートはチョコレートなどを混ぜて焼いたようなロシアでは有名なお菓子のようです。かなりの甘さですが、ロシアっぽくてなかなかイケる味です。

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こうして食事をしている間にもサプサンは途中いくつかの駅に停車していきます。ただいずれもあまり大きな町ではなく、ほとんど人の乗り降りはなさそうでした。

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サプサンにはクラスとしては特等(FIRST)の他に、1等(BUSINESS)と2等(ECONOMY)があり、食事後に車内をちょっと回って見学してみました。1等(BUSINESS)は、2等と同様の2+2列の4列配置ですが、インテリアは黒を基調としていて、1等らしいフォーマルな雰囲気があります。このクラスにも食事等のサービスは付いています。

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また2等(ECONOMY)も配置は2+2列ですが、1等(BUSINESS)に比べるとシートがブルーでカジュアルな雰囲気になります。2等は特に通常食事等のサービスはありませんが、列車や車両によってはサービス付きの場合もあるようです。

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また車内にはカフェテリアのようなバー車両や食堂車もついています。バー車両では簡単なドリンクやその他お土産的なものなどいろいろなものを打っています。食堂車は通常の2等車両のボックス席を利用しているようでした。

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さてこうして車内をウロウロしている内に、ほどなくサンクトペテルブルクへの到着が近づき、車窓にも街が見えてくるようになりました。そして出発から約3時間40分後、ほぼ定刻にサプサンはサンクトペテルブルクのモスクワ駅に到着しました。降りる際にはもちろん特に手続きも何もありませんので、そのままホームに降り、駅建物の方へ向かいます。

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この駅はサンクトペテルブルクの中心に近い場所にあり、駅前もなかなかにぎやかです。もともとヨーロッパに向け建設された街ということもあって、駅から見る街並みもヨーロッパっぽい雰囲気です。

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このロシアの2大都市、モスクワとサンクトペテルブルクを結ぶサプサンは車内も快適ですし、所要時間もほどほどでこの区間の移動には、飛行機と比べてもとても便利だと思います。これからロシアのワールドカップも開催され、このモスクワとサンクトペテルブルク間を移動する方も多くなるでしょうが、ぜひこの間の移動はこのサプサンをお勧めします!

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ロシアの看板高速列車-サプサン/ Sapsan highspeed train in Russia

前回まで、ロシアとフィンランドを結ぶ国際列車のアレグロとトルストイをご案内してきましたが、そのロシア国内の一番のメインルートであるモスクワとサンクトペテルブルクを結ぶ看板列車がこのサプサンです。今年のロシアワールドカップで両都市とももちろん試合開催都市となっていますので、利用する方も多くなると思います。

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ロシア語で「はやぶさ」を意味するこのサプサンは、2009年末にロシア初の高速列車として運行を開始し、それから徐々に便数も増えて現在は1日片道あたり10数便が運行されています。また画像をご覧いただくとわかるように、車両はドイツのICE3をベースにしており、このモスクワとサンクトペテルブルク間を最高速250キロで、およそ3時間45分から4時間程度で結んでいます。

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またクラスは現在、特等(FIRST)、1等(BUSINESS)、2等(ECONOMY)の3クラスとなっていて、特等などには食事のサービス等も付いています。もちろん全席予約制で、料金は、便の空席状況や予約のタイミングで金額が大きく変動があり、大体は2等(ECONOMY)の一番安い場合で¥5000程度から特等(FIRST)の高い場合で¥30000程度あたりになります。なお席の配置は下のシートマップのように特等(FIRST)は1+2列の3列配置で、1等(BUSINESS)と2等(ECONOMY)は2+2列の4列配置となっています。
FIRST
BUS
ECO
(IMAGE: RUSSIAN RAIL RZD)

では1月にこのサプサンにモスクワからサンクトペテルブルクまで乗車しましたので、その簡単なレポートをご案内したいと思います。今回は少々張り込んで、一番高い特等(FIRST)をチョイスしてみました。

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モスクワの出発駅はレニングラード駅になります。レニングラードはサンクトペテルブルクの以前の名前で、モスクワの他の駅名と同様、目的地の名前がついています。なおレニングラード駅のすぐ隣にヤロラフスキー駅という別の駅があり、こことはレニングラード駅はつながっていませんのでちょっと注意が必要です。なおロシアの駅に入る際にはどこも必ず荷物検査があります。特に厳しいことはないですが、一応荷物は全部機械を通す必要があります。

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こうして駅内に入り、カフェや売店などのショップ街を抜け、ホームに向かうとサンクトペテルブルク行きのサプサンがホームの両側に止まっています。なおサプサンの運行スケジュールはちょっと独特で、1時間おきなど均一に運行するのではなく、大体同じ時間帯に10分おき程度に2便がまとめて運行されます。ですので予約した列車がどちらなのか掲示板等で確認して乗り込むことになります。

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特等(FIRST)は、乗り込むときは車両の出入り口に乗務員が立っていますので、そのスタッフにチケットを見せて車内に入ることとなります。(それ以外の車両は車内でのチェックとなります)ドイツのICEよりも車両の幅が広くて、さらにゆったりした雰囲気です。またこの時期クリスマスの飾りもついていてちょっと華やいだ感じもします。

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こうしてほどなくサプサンは定刻にモスクワを出発しましたが、この先の乗車レポートについてはまた来週にお書きします。

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