ナイトジェット新世代車両 運転区間拡大中 / NightJet new generation operation increasing

28 3月

オーストリアやドイツ、スイスなどを中心に、ヨーロッパ各国を結ぶ人気の夜行列車がこのナイトジェットですが、2023年末より待望の新世代車両の導入がスタートとなり、それから1年少々を過ぎて、この新車両による運行区間が徐々に拡大してきています。最初はオーストリア国内とウィーン⇔ハンブルク、インスブルック(ミュンヘン)⇔ハンブルクの3ルートのみでしたが、現在はミュンヘン⇔ローマとウィーン⇔ローマも増えて、5ルートがこの新車両による運行となっています。

車内に乗り込むと、さすがに新型だけあって通路からして、従来車両に比べぐっと機能的でモダンになっています。このナイトジェットの新車両は2024年の列車内のインテリアデザインに関する賞を取ったそうですが、それも頷けるところです。

この新世代車両については以前に、新しく誕生したカプセルタイプの新寝台(クシェット)のミニキャビンをご案内しましたが、それ以外のいわゆる個室寝台についても大きくグレードアップされています。この新車両の個室寝台は、通常の「コンフォート」と、よりデラックスで広めの「コンフォートプラス」の2タイプからなっており、今回の画像はいずれも「コンフォート」の方になります。

この個室寝台はコンフォートにしても、コンフォートプラスにしても、いずれも1室1~2名用で、1名利用の場合は下段のみ、2名利用の場合は上下段の2段で利用します。ベッドが2台横並びになる部屋はありません。

実際、そのベッドサイズもなかなか広く、足の方も特に窮屈ということもありません。

またエアコンなどの空調も個室ごとに調整が可能です。これもデジタルパネルのようになっていて、見た目にも操作性の点でもなかなかグッドです。ドアには大きな鏡も付いていて身だしなみチェックにも便利です。

また室内には専用の洗面台ももちろんついていて、洗顔や歯磨きなども問題ありません。あまり大きいとも言えませんが、温かいお湯も出てきますので、快適に利用できます。

また今回の新車両でのトピックの1つは個室寝台全てにシャワーとトイレが備わったことです。コンフォートの場合は個室内にトイレと洗面台用のルームがつくられ、そこで簡易タイプのシャワーを浴びることもできるようになっています。画像で洗面台の奥の方に設置されている棒のようなものがシャワーになっていて、洗面台から取り外して、このルーム内でシャワーとして使えるようになっています。

また、ナイトジェットの個室寝台を利用の際には、車内で利用するアメニティグッズや翌朝の朝食といったサービスも付いてきます。それについてはまた次回にと思います。

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中欧各国を結ぶレギオジェット!ちょっと個性的なクラス設定/Regiojet classes

28 2月

チェコを中心に中欧エリアにネットワークを拡げているレギオジェットですが、前回お伝えしましたように、この列車のクラス設定はちょっと特徴的です。

その中で一番グレードが高いクラスになるのが、ビジネスクラスです。画像のように通路とはパーティションで仕切られた各4名定員のコンパートメント席となっています。

席は2列配置となっていて、かなりの広々感です。 インテリアは レイルジェットのビジネスクラスをイメージさせるデザインで、多少年季は感じさせますが、横にはアームレストのスペースもあってなかなかくつろげます。

またスパークリングワイン(プロセッコ)などのウェルカムドリンクのサービスも付いていて、ちょっとプラスアルファの雰囲気です。新聞や雑誌類(チェコ語のみでしたが)も希望で読むことができます。

また有料にはなりますが、席で食事などをオーダーし、サーブしてもらうこともできます。全般的にアッパー感を感じることができるクラスと言えるでしょう。なおこのビジネスクラス利用の場合、ユーレイルパスは1等が必要となります。

またその次のクラスになるのがこのリラックスクラスです。通常のオープンサロンで、座席は1等に相当する1+2列の3列配置でかなりゆったりしています。シートもしっかりしていて座り心地も上々です。 ビジネスクラスに比べるとカジュアルで気軽に利用できるクラスと言えます。

このクラスでもちょっとしたドリンクのサービスが付いています。またビジネスクラス同様、食事などを座席でオーダーして、運んできてもらうことも可能です。

このリラックスクラスは2等のユーレイルパスでも利用できますので、2等パスをお持ちの方にもコストパフォーマンス的にお勧めのクラスと言えます。

また通常の2等にあたるのがスタンダードクラスで、一番ポピュラーなクラスと言えます。席配置は2+2列の一般的な配列になっています。料金重視ですとこのクラスでいいと思います。

また2等の中でもそれぞれの席にモニターが付いたアストラというクラスもあります。通常の2等と比べインテリアもリニューアルされ、モニター上で各種コンテンツも楽しめますので、そうしたプラスアルファを求める方にはお勧めです。

この他、より料金重視のローコストというクラスも列車によっては付いていますが、通常のスタンダードクラスでもかなり安めですので、そこまで安さを求めなくてもいいような気はします。

レギオジェットは全体的な車両や客席のハードウェアの点では ライバルのレイルジェットのレベルには達していないところがありますが、いろいろな各種サービスで、頑張ってる感はありますので、一度利用してみてもいいと思います。

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プラハ⇔ウィーンなど中欧各国でネットワーク拡大中のレギオジェット REGIOJET train operator in central Europe

14 2月

前回はウィーンとプラハ間のレイルジェットを案内しましたが、その同じ区間を運行するライバルと言っていい存在がこのレギオジェットです。似たような名前でちょっとややこしいですが、このレギオジェットはチェコを本拠にした新規参入の鉄道会社で、ウィーン⇔プラハ間などをメインに、オーストリア、チェコ、スロバキア、ハンガリーそしてポーランドなどに運行ネットワークを拡げています。

レギオジェットは このウィーン⇔プラハ間については、レイルジェットと同じように、概ね2時間おきに運転し、両都市間を約4時間で結んでいます。車両はやや古めで中古感はありますが、きちんと内外装をリニューアルしてあって、頑張ってる感じです。

この明るいイエローのイメージカラーにブルーとレッドのロゴが結構目立っていて、駅のホームでもなかなかの存在感があります。またLCC的な位置付けの料金となっていて、レイルジェットよりは安めに設定されていることもあり、中欧エリアの列車としてかなり定着した存在となっています。

また上のようにプラハや途中のブルノにはこうしたラウンジがあって、レギオジェットのチケットを持っていれば利用が可能です。無料のコーヒーやスナック(アイスクリームも)などがサービスされています。

このレギオジェットには、最上級にあたるビジネスクラス、ゆったりした席配置のリラックスクラス、通常の2等車にあたるスタンダードクラス(席にモニターの付いたアストラ席もあり)、割安のローコストクラスなどのクラスが設定されています。そんなレギオジェットの車内の様子などはまた次回にご案内します。

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チェコへも便利!ウィーン/プラハ間を約4時間で結ぶレイルジェット/ Railjet Wien-Praha

29 1月

前回もご紹介したオーストリアの高速列車レイルジェットですが、この列車はウィーンと隣国チェコのプラハの間でも運行しています。 概ね2時間に1便が運転され、両都市間をおよそ4時間で結びます。

この区間のレイルジェットはオーストリア鉄道とチェコ鉄道(CD)の共同運行となっており、いつもの赤いオーストリア編成の他に、列車によっては下のような青いチェコ鉄道の編成も使用されています。

車内は機能的な造りになっていて、大きめの情報モニターも装備されています。その時の運転状況や次の停車駅、遅延の情報などさまざまなインフォメーションが表示されます。

また1等に関しては新聞(あまり読まれないとは思いますが)などのサービスもあり、有料ですが席で食事やドリンクなどオーダーしてそのまま席に持ってきてもらうケータリングサービスも利用が可能です。

車両によってはRuhezoneという携帯での通話や大声での会話などを禁止したサイレント席も設置されています。

このウィーンとプラハ間は、途中モラビア地方からボヘミア地方へ抜ける際にはちょっとした山岳地帯も通りますし、画像のようなヨーロッパらしい町並みも見ることができますので、それなりに車窓風景も楽しめると思います。

そうこうしている内にプラハへ到着です。プラハは戦災の大きな被害を免れ、中世からの歴史的な建造物も残る美しい街です。プラハへの移動の際にもぜひレイルジェットなど列車を利用下さい。

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ウィーン空港駅 市内行きもオーストリア各地への列車も発着/ Flughafen Wien

16 1月

2025年もスタートとなりました。本年も当ブログをよろしくお願いいたします。

さてヨーロッパには、フランフルトやパリなど空港に直結したターミナル駅がいくつもありますが、やや小ぶりながらその内の1つがこのウィーン空港駅です。

上の画像にもあるように、空港のターミナルと駅ホームは直結していて、列車マークの表示に従ってターミナルから降りていくとそのまま列車ホームとなります。この空港駅からは、市内中心部のミッテ駅との間の空港専用列車CAT(シティエアポートトレイン、市内各地への近郊列車Sバーン、そしてリンツやザルツブルクなどへの高速列車レイルジェット(オーストリア鉄道OBB運行)など数多くの列車が発着しています。

空港専用列車CATと、レイルジェットなどオーストリア鉄道(OBB)の列車は発着ホームも異なっています。CATはグリーン、OBBはレッドのイメージカラーとなっていますので分かりやすいですが、乗る際はちょっと気をつける必要があるでしょう。なおレイルジェットなどOBBの列車はユーレイルパスで利用可能ですが、CATは利用できませんのでご注意ください。

OBB側ホームからは画像にもあるようにレイルジェットなどが発着します。レイルジェットはもちろん長距離用の列車ですが、ウィーン市内への移動のみでも利用可能です。ただ中央駅の着発になりますので、シュテファン広場など市内中心部へはCATやSバーンの方が便利かもしれません。

レイルジェットはちょっとシックな赤がイメージカラーとなっています。なおこの駅は始発駅(または終着駅)になりますので、お客はここで全て入れ替えとなります。 また下がレイルジェットの1等の車内ですが、クリーンな雰囲気でなかなかの快適さです。1等は画像のような1+2列の配置で、2等は2+2列になります。セミコンパートメントとなった特等にあたるビジネスクラスも付いています。

空港駅とウィーン中央駅の間は途中ノンストップで、所要時間はおよそ15分程度になります。(なおCATはミッテ駅まで16分、Sバーンは市内駅まで25分程度) もちろん空港駅からリンツやザルツブルクなどの主要都市へは直通で行けますし、 またウィーン中央駅で乗り換えれば、オーストリア国内はもちろん、近隣のドイツやハンガリー、チェコ、スイス、イタリアなどへもアクセス可能です。

ウィーン空港はこのように列車アクセスもとても便利になっています。この空港をお使いの際は、ぜひこうした列車ネットワークを利用してオーストリアや近隣国の旅行を楽しんで下さい。

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2024年12月からの冬スケジュール情報 /New trains for 2025

20 12月

今年2024年も残り10日ほどとなりましたが、毎年12月中旬はヨーロッパの列車スケジュールの改定期にあたり、今年も新列車の運転スタートなどもありました。今回はそうした新情報をご案内します。

まずはドイツとフランス間ですが、ベルリン⇔パリ間の直通のICEが今月から運行を開始しました。今までパリとフランクフルトやミュンヘンとの間ではダイレクトのICEやTGVが運転をしていましたが、今回はそのお互いの首都間での直通運転で、シンボリックなことでもあります。運行は各1便ずつで、所要時間は8時間ほどと少々長めではありますが、直通ということでの意味もありますし、また途中でフランクフルトやストラスブールにも停車しますので、一部区間の利用にも便利かと思います。

またICEですと、オランダのアムステルダムとドイツ南部のミュンヘン間の直通の便も運転を開始しました。オランダとドイツ間では今までもアムステルダムとケルンやフランクフルト間を結ぶ便はありましたが、今回はさらに運行ルートが延長されました。この間のICEも1日各1便で、所要時間は7時間程度とやや長いですが、途中でシュトゥットガルトなどにも停車しますので、そうした利用にもおすすめです。

ドイツ関連ではさらに、従来オーストリアを中心にウィーンとザルツブルクそしてミュンヘン間で運行していた新高速列車のウエストバーンが、さらに 延長されシュトゥットガルトまでの運転となりました。これは1日3便ずつの運転で、トータルの所要時間は6時間半ほどになりますが、これもドイツ南部とオーストリアの移動には便利な列車かと思います。

またオランダに戻りますと、アムステルダムとベルギーのブリュッセルを結ぶ新列車のユーロシティダイレクトも運転を開始しています。これは今までこの区間を運転していたICをスピードアップし、より便利にした列車で、ユーロスター(旧タリス)とあまり変わらない約2時間程度で、両区間を結んでいます。座席予約制ではなく気軽に利用できるのもいい点かもしれません。ユーレイルパスのみでも利用が可能です。

image : www.nsinternational.com

そしてそのブリュッセルとパリとの間では新たにOUIGOクラシックが運転を開始しました。OUIGOクラシックはフランス内のICをベースにしたLCC的な位置付けの格安列車で 、この区間では以前のECがベースとなっています。所要時間は3時間ほどと、同ルートのユーロスター(旧タリス)と比べると2倍くらいかかりますが、料金的にはメリットもあります。ただレイルパスでは利用できませんのでご注意ください。

image: press.nmbs.be

では今年の年末から来年の旅行にはぜひこうした新しい列車も利用頂ければと思います。今回が今年最後の投稿となりますが、本年も当ブログをご覧頂いてありがとうございました。引き続き弊社ユーリンクをよろしくお願い致します。

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ナイトジェット カプセルタイプの新型クシェット ミニキャビン Nightjet Mini-cabin

27 8月

人気の夜行列車ナイトジェットの新型車両ですが、そのトピックの1つがミニキャビンと呼ばれる新しいカプセルタイプのクシェット(簡易寝台)です。ヨーロッパの夜行列車の多くには、個室寝台とは別に、4~6人定員で相部屋またはミニグループ用にリーズナブルに利用できるクシェットが連結されていますが、相部屋の場合には、カーテンなど仕切りもなくプライバシーや防犯の面がちょっとネックでした。それに対しこのミニキャビンは、コンパートメントではなく、それぞれのベッドをカプセル的なキャビンにして独立させた造りになっています。

このミニキャビンでは上下2段のベッドが2列ずつ向き合っていて、 それぞれのベッドがシャッターで開閉ができるようになっています。シャッターはもちろんロックすることも可能です。隣のキャビンとの間には荷物用のロッカーが設置されており、フライトの機内持ち込みの上限程度の大きさの荷物は十分に入ります。それより大きい荷物は乗務員に伝えて預かってもらうことになります。

間違いなくこのミニキャビンは日本のカプセルホテルにインスパイアされたのでしょう。ですので日本人はわりとすんなり利用できるように思います。 上段へはステップを上って中へ入ります。ちょっとアクロバティック気味になりますので、その点では下段が便利かもしれません。

キャビン内に入って、シャッターを閉じると大体こんなイメージになります。さほど広いとまでは言えませんが横になったり、一晩を過ごすには十分に思います。日本のカプセルホテルを少し狭くした感じです。

ちょっと足が見苦しくて恐縮ですが、こんな感じで横になることができます。テーブルは跳ね上げると鏡になっていてなかなか機能的な造りです。また画像にもありますが、カードキーも付いていて、トイレなどに出るときは外からロックすることも可能です。

また奥のようには電源プラグも付いていて、wifiも利用可能です。枕と毛布はもちろん備わっています。 空調などもキャビンごとに調整ができますし、小さいながらも窓があり、外の風景を見ることもできます。

このようになかなか快適なキャビンで夜を過ごすと、翌朝は朝食がそのままキャビンの方へサーブされます。シンプルですが、なかなかクオリティ高めの朝食です。

シングルや2人部屋個室は高すぎるけれども、座席車や相部屋のクシェットには抵抗のある方に、料金とプライバシー性とが両立したこのミニキャビンはぜひお勧めです。からミニキャビンは新型車両のみの連結ですが、今後この新型車両も増備が進み、多くの区間で利用できるようになるでしょう。

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ナイトジェット 新世代車両 快適に進化中! Nightjet New Generation

16 8月

オーストリアやドイツ、スイスを中心にヨーロッパ各国を結ぶ人気の夜行列車がナイトジェットですが、昨年末よりオールブランニューの新世代車両も導入が開始されています。

ヨーロッパではICEやTGVなど昼間の高速列車は新型車両の投入が相次ぎ、日々進化が続いていますが、 夜行列車に関しては、ナイトジェットも含め、以前からの車両をリニューアルする程度でなかなかハードウェア的な進化がありませんでした。その点から言ってもこの新型車両の登場は画期的と言えるでしょう。なお今のところはハンブルク⇔ウィーンやハンブルク⇔ミュンヘン(インスブルック)などの路線で使用されており、今後も増備が進められる予定となっています。

この新車両は、最高時速230キロまで対応可能なスピード性能も持ち、車体もよりなめらかな現代的なデザインとなっています。 また車内も同様にWIFIが利用可能となり、また客室にUSB電源も備わるなど、現代的な旅行形態に対応できるようになっています。

また車内インテリアも、今までのちょっとレトロな夜汽車イメージからぐっとモダンなデザインとなっています。こうしたタイムテーブルなどの情報をマルチに表示するモニターも装備され洗面台などの設備も一新されています。

従来からのクシェットは、2段ベッド×2の4人部屋が導入され、今までのような窮屈感もなくなっています。また個室寝台(Sleeper 1~2人用)についても、必要充分な設備をもったコンフォートと、より広くさらに快適なコンフォートプラスの2タイプとなり、どちらもシャワー&トイレ付となっています

また話題になっているのはミニキャビンと名付けられた、新型のカプセルタイプのクシェットです。比較的リーズナブルな料金で、かつプライバシーも保てるということで人気のカテゴリーとなっています。このミニキャビンについてはまた次回にご案内します。

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イタリアのドイツ語圏の南チロルからブレンナー峠を越えてオーストリアへ Italy South Tirol to Austria

2 8月

ヨーロッパの南北を結ぶアルプス越えの鉄道ルートはいくつかありますが、その内の重要な1つが、ブレンナー(ブレンネロ)峠経由でイタリアのベローナとオーストリアのインスブルックを結ぶルートです。このルートは車窓風景の点でも文化的にもなかなか面白い路線です。

列車はベローナを発車すると北へ向かいます。徐々に山と山の間が狭まってきて、旅行気分も高まります。

そして峠へ向かう途中のボルツァーノは、南チロルと呼ばれる地域の中心都市になります。そしてこの地域はその名前でもわかるようにドイツ語が話されるエリアになります。そのため言語もイタリア語に加えて、ドイツ語も公用語となっていて、駅名はボルツァーノ(イタリア語)とボーツェン(ドイツ語)の両名併記となっています。

街へ出てみると表記はドイツ語メインで、街並みもイタリアというよりは明らかにオーストリアかドイツの雰囲気が感じられます。イタリアの独立戦争や第一次世界大戦など、このエリアの領有をめぐってオーストリアとイタリアで激しい戦いも行われましたが、現在はイタリア内のドイツ系の自治県となっています。

そしてボルツァーノから北へ向かうとさらに山が深くなっていき、峠も近づいてきます。冬の時期は雪にも包まれます。

そして標高1300メートルを越えるブレンナー峠に到着します。ローカル列車を利用する場合はここでオーストリア側の列車に乗り換えます。もちろんレイルジェットなどを利用すればそのまま乗り換えなくオーストリア方面へ移動ができます。

オーストリアのインスブルック行きの列車の車両はオーストリアの国旗の赤と白をを基調としたカラーリングで、なかなか新鮮です。

車内のインテリアもオーストリアらしく赤がベースです。こうして列車はオーストリア側の本家(?)チロル地方の中心都市のインスブルックに到着します。

美しい車窓風景ももちろん、ちょっとした文化や言語の違いも感じられるのが、ヨーロッパの列車旅の楽しみの1つかもしれませんね。
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ミュンヘンへも運行中! レイルジェットのライバル ウエストバーン/ WESTBAHN von Muenchen

12 4月

EU内での列車運行の自由化に伴い、2012年にオーストリアのウィーンとザルツブルク間で運転を開始したのがこの新高速列車のウエストバーンですが、この
ウエストバーン は2022年にはミュンヘンまでの運行開始するなどそのネットワークを徐々に拡げ、オーストリアの内外で幅広く利用されています。

前回ご案内したOEBB(オーストリア鉄道)のレイルジェットも同じ区間を 運行しており、ライバルとしての両列車の競争が続いています。イタリアのトレンイタリア(フレッチャロッサ)とイタロの関係にもちょっと似たイメージです。

従来からの機関車+客車タイプに近い編成のレイルジェットに対し、 ウエストバーンは いわゆる電車タイプの 2階建て車両が使用されています。車内はクリーン&モダンというイメージでなかなか快適です。

またクラス的には、通常の2等(スタンダード)、2等席をより快適にした中間クラスのコンフォート、そして1等(ファースト)の3タイプによって構成されています。座席配置は2等とコンフォートは2+2列で、1等は1+2列のゆったり配置となっています。

なおこのウエストバーンはユーレイルパスで利用可能ですが、そのまま利用できるのは2等のみで、コンフォートや1等を利用の場合にはプラス料金が必要となります。なお座席予約はレイルジェットなどと同様に特にマストではありませんので、パスのみでそのまま乗り込むことができます。

車内には食堂車というほどの車両は付いていませんが、こうしたドリンクやスナック類の販売コーナーもあってちょっと一息入れることができます。(簡単な軽食などは車内で注文することもできます。)
なお下の画像の車内モニターにも表示されているようにこの列車ではDB(ドイツ鉄道)やOEBB(オーストリア鉄道)の乗車券は利用できません。

ウィーンとミュンヘン間はレイルジェットと同様の約4時間で運行します。なおウィーンの発着駅は、レイルジェットが中央駅なのに対し、ウエストバーンは西駅になりますので、ホテルなどの場所によって利用する列車を選んでもいいかもしれません。

オーストリア内や、オーストリアとドイツの移動の際には、 レイルジェットと合わせてこのウエストバーンもご利用ください。

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