ロシア モスクワへ、意外(?)に快適!夜行列車トルストイ/ Tolstoi night train to Moscow 

列車は出発後、しばらくフィンランド内のいくつかの駅に停車して、ロシア方面へ向かっていきます。この寝台には簡単な夕食も含まれていて、しばらくするとサービスのスタッフが部屋に持ってきます。今回は画像のような魚のピラフのような感じで、味はまあまあで日本人にはいいように思います。なお今回は特に利用しませんでしたが、ロシア料理など本格的な食事をとりたい場合にはもちろん食堂車もついています。また他にも車内ではルーブル両替やタックスリファンドのサービスのスタッフも回ってきます。

SUPPER

そうこうしている内に国境が近づいてきて、フィンランド側の国境駅からまずフィンランド(EU)側の係官が回ってきます。ここでは簡単にパスポートを提示して、EUからは出国(出域)となります。なおトルストイはここで後続のアレグロの最終便に先を譲るため、そこそこの時間停車します。そしてその後ロシア側の国境駅に着くとロシア側の係官が回ってきます。ここでビザの入ったパスポートと、記入済み出入国カードを渡すと、じっくり顔などは確認されるものの特に質問もなく、入国のスタンプが押されます。そしてその後はしばらくしてロシア側の税関の係員がやってきて荷物などをざっとチェックし、これでロシア側の入国が完了となります。

VISA

これで出入国関係の手続きが全て終わって、そこそこ遅い時間(ロシア時間で11時半くらい)となったので、そろそろ寝に入ります。ヨーロッパの通常の寝台と同様、座席の背もたれを倒すとそこが寝台になります。なかなかベッド幅も大きく快適です。

BED

なお寝る前の歯みがきや洗顔は、室内のテーブルを開けるとそこが洗面台となっていますので、そこで済ますことができます。タオルなどのリネン類も清潔でなかなか快適です。

WASH BASIN

当日に日本から到着したこともあって、横になるとあっという間に眠りに落ちてしまいました。列車のゆれはそれなりにありますが、車両が大きいせいもあるのかそれほど気になることもありませんでした。そして特に途中で起きてしまうこともなく、目覚めると既に車窓の風景は明るくなっていました。

MORNING

そして、サービスでテーブルに置いてあるドリンクとお菓子っぽいパンで簡単に朝食を済ませると、徐々に風景に建物が増えてきて、モスクワが近づいてきます。

MOS

そして列車は9時過ぎ、ほぼ定刻きっかりにモスクワのレニングラード駅に到着となりました。列車を降りるときは特に何の手続きもなく、車掌に見送られて、デッキを下りていくこととなります。ホームは通常のヨーロッパの駅と大きく変わることはありませんが、目に入るキリル文字の案内がちょっとエキゾチックさを感じさせます。

MOS

この夜行列車トルストイは、出入国の手続きなどロシアならではの独特のクセはあるものの、列車自体は車両も室内もモダンできれいで、他の西ヨーロッパの国の夜行列車と同等かそれ以上に、快適に一晩を過ごせると思います。夜行列車は朝に到着するので駅や街の様子もわかりますし、1日がより有効に使えるので、便利だとも思います。今後、ワールドカップ観戦なども含め、ロシアへ旅行する際には、アクセス手段の1つとしてこのトルストイもぜひお勧めです。

MOS LED

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ヘルシンキと首都モスクワを結ぶ寝台列車 トルストイ/ Tolstoi night train

フィンランドとロシアを結ぶ列車で、一番便利で利用者も多いのは前回にも書きましたアレグロですが、お互いの首都のヘルシンキとモスクワを直結する唯一の列車が夜行列車のトルストイです。

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ロシアの文豪からその名をとったこのトルストイは、主にロシア鉄道側による運行となり、車両もロシア鉄道側のものが使用され、ヘルシンキとモスクワの間を片道14時間ほどかけて、毎日各1便ずつが運行しています。今回このトルストイにヘルシンキから乗車してみましたので、ざっとそのインプレッションをご案内しましょう。

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まずヘルシンキでは、このトルストイは特に専用のホームなどではなく、フィンランド側の列車と普通に並んで停車しています。緑が主体のフィンランド車両の中に並ぶ、シルバーと赤のモダンな車体は結構目立ち、なかなかキレイです。この時は出発の20分くらい前に乗車がスタートとなり、ホームの先の予約した車両に向かいます。各車両にはロシア側の乗務員が立っていて、その乗務員にチケットを見せて、パスポートなどのチェックも受けた上で乗車となります。国際列車ということもあって乗務員も、やや聞き取りにくいものの英語でのコミュニケーションが可能です。

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今回は通常のシングルでの利用でしたが、もともと最大4人利用できる部屋(1/2/4人用)となっていて、広さ的には今までで乗った寝台の中では一番かもしれません。それにインテリアデザインもモダンでかなりきれいです。ロシアっぽいのは机にテーブルクロスが掛けられて、ドリンクや軽食などが並べられているところで、これらはもちろんサービスで料金に含まれています。また室内のアメニティーセットや新聞なども置いてあります。

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ちなみに部屋は自動ロックとなっていてカードキーも渡されます。これもなかなかロシアのイメージ離れした感じです。その他乗車時にはロシア入国に必要な入出国カードも乗車時に乗務員から渡されます。なおこのクロスがかかったテーブルを上に開けるとそこは洗面台になっています。

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なおこのトルストイの寝台のタイプとしてはこの他に、室内にシャワーなどが備わったロシアテイスト満載の、特等にあたる部屋(1~2人用)もあります。一方で一般のヨーロッパの夜行列車にあるようなクシェットやシート車は連結されていません。ちなみに今回利用した通常の寝台については、シャワーとトイレは車両に共用のものが付いていて、そこを使うことになります。(トイレ単独が1ヶ所とシャワー+トイレが1ヶ所) シャワーは今回は使わなかったものの見たところなかなかきれいです。

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さてこうして乗り込んでウロウロしている内に、列車は18時前に定刻でヘルシンキを出発しました。冬のためもうとっくに外は真っ暗ですが、しばらくはヘルシンキの街の明かりがチラホラ続きます。ちなみにルーズなイメージもあるロシアですが、乗る限り列車の運行はなかなか正確です。そのあたりは同じ寒い国のスカンジナビアの国々と共通するものがあるのかもしれません。

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ちょっと長くなってきましたのでこの後のモスクワまでの様子などはまた次回にお書きします。

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アレグロ 手軽で快適にロシアへアクセス/ ALLEGRO convenient & confortable train to Russia 

前回から引き続きの、ロシアとフィンランドを結ぶアレグロですが、この列車はヘルシンキの中央駅とサンクトペテルブルクのフィンランドスキ駅の間を結んでいます。なおロシアの大都市の駅は、パリのリヨン駅などと同様に、発着する列車の目的地が駅名になっていることが多く、サンクトペテルブルクには他にモスクワ駅もあります。

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なお乗車の際、サンクトペテルブルクからの場合は、他のロシア内の列車と別に、駅の左奥の方にアレグロの専用口があってそこから入場することになります。メインの駅のコンコースからは乗り場へ行けないようになっていますので注意が必要です。(降車の場合もその専用口から出ることとなります) 

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そして、そこでチケットやパスポートなどのチェックインの手続きを受けた上で、ホームに出て乗車となります。(なおロシアの駅は全て入場の際に荷物チェックもあります)

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一方ヘルシンキでは、他のフィンランド国内の列車と同様にホームに並んだ車両に乗り込むだけで、特別な手続き等はありません。チケットの検札も車内で行われます。

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車内は通常のヨーロッパの高速列車と同様に、1等は1+2列の3列席、2等は2+2の4列席となっています(1等はドリンクと軽食等のサービス付)。ヨーロッパ内のTGVやICEのような200~300キロレベルのスピードで走るわけでもないですが、カーブでは車体を傾けて運行します。車内はなかなか快適で、ヨーロッパの通常の高速列車のレベルに充分達しています。

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また車内にはさまざまなドリンク類や軽食などが購入できる売店とバースペースや、さらに食堂車も付いていて本格的な名物料理まで楽しむことができます。(食堂車なども下に書いた国境での出入国手続き中は営業休止となります)

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また両国の出入国の手続きは車内では走行中に行われます。座席に座ったままで係官が回ってくるのですが、フィンランド(EU)側の出入国の係官、ロシア側の出入国の係官と税関の係官の、合計3人が車内を回ってきます。ロシア入国の場合でも、ビザがあれば、写真をじっくり見られる位で、特に細かいことを聞かれるわけでもないですし、税関の人も外貨持ち込みをざっくり聞いたり、ランダムに荷物を見せるよう求めるだけで、特に大変ということはありません。ただ3人回ってくる分、出入国手続き全体が終わるまでそこそこ時間はかかります。

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なお車窓風景は、今回は冬のため白一色ですが、ロシア側は森林と原野という感じで、フィンランド側は湖などもあって、日本人から見ると、いずれもそれなりに退屈しないように思います。

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ロシアと言うとどうしても、ビザが必要な点や、国のイメージ的にやや旅行づらいという印象はありますが、このアレグロを利用すれば比較的簡単かつ快適にアクセスできます。所要時間も片道3時間半程度で、ちょっと日帰り観光というのも可能なくらいです。ぜひこのアレグロで通常のヨーロッパとはちょっとテイストも異なるロシアを訪れてみてはいかがでしょうか?

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フィンランドとロシアを直結する高速列車 アレグロ/ Allegro train Finland-Russia

今年は夏にロシアでワールドカップが行われることもあって、ロシアへ行く方も増えるでしょうが、前回までのフィンランドとロシアを直結する、人気の高速列車がこのアレグロです。ロシアと言うと旅行するのがいろいろ面倒なイメージもありますが、このアレグロを利用すると便利にフィンランドとロシア間をアクセスできます。

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このアレグロはフィンランドのヘルシンキとロシアのサンクトペテルブルクを結んでいます。サンクトペテルブルクはエルミタージュ美術館なども有名なロシア観光では一番人気の都市で、ワールドカップの会場の1つにもなっています。

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そしてアレグロはこの両都市間を1日片道4便ずつ、およそ3時間半で走行します。このくらいの所要時間だと、空港への移動やセキュリティチェックなどを考えると飛行機に乗るよりもぐっと便利に感じられます。なおヘルシンキとサンクトペテルブルク間の距離は400キロ少々ですので、通常路線を走る列車としてはまあまあのスピードと言えるでしょう。

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そのアレグロは画像でもわかるようにイタリアのペンドリーノ車両が使用されています。ペンドリーノ車両はカーブで車体を傾けて高速で走ることが可能な車体傾斜機能がついていて、この区間のスピードアップに一役買っています。また、ヨーロッパで一般的に使用されている車両ですので、特にロシアということを意識することなく、通常のヨーロッパの感覚で快適に利用することができるといえるでしょう。

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もちろん車両には1等と2等があり、全席予約制となっています。フィンランド内の区間はユーレイルパスも有効ですので、パスホルダーの場合はその分安い料金で利用することができます。なお料金は全般的に使用する列車やその列車の空席等の状況によってかなりの変動があります。ちなみに1等はドリンク等のサービスが付いています。

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では実際の利用時の情報は次回またご案内します。

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