イギリスでも主力車両として活躍するペンドリーノClass390/ Pendolino in UK

7 8月

(イギリスのブリットレイルパスなどについては当社ユーリンクHPよりお求め下さい)

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以前にイギリスの高速車両として日立製のClass800を紹介しましたが、それより前からイギリス内で導入されてきたのがこのイタリアのペンドリーノ系のClass390です。

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このClass390は2002年に当時のヴァージントレインズにより、ロンドンとバーミンガムやマンチェスター、グラスゴーなどを結ぶ主要幹線の西海岸線で導入が開始され、現在は運行会社は変わったもののそれがそのまま運行が続けられています。見た目にはなかなか愛嬌のあるスタイリングともいえるでしょう。

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このClass390は、営業上の最高速度が200キロとなかなかの俊足を誇り、またペンドリーノの名の通りカーブでも早く走行できるように車体傾斜装置が付いています。あまり高速新線の整備が進んでいないイギリスの国内路線にはマッチしていると言えます。

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車内は他のヨーロッパの国々と同様、1等は1+2列の3列配置、2等は2+2列の4列配置となっています。また1等にはイギリスの伝統で、ドリンクや時間帯によって食事などの車内サービスがあります。

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現在イギリスでは高速新線の建設も進められており、今後さらに列車の利用が便利で快適になりそうです。イギリスは他のヨーロッパ諸国と比べてもなかなか新型コロナの影響が収まりませんが、アフターコロナのイギリス旅行にはぜひ列車をご利用下さい。

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イタリアとスイスを結ぶ国際線用ペンドリーノ ETR610/ Italy&Swiss ETR610

31 7月

(ヨーロッパの列車チケットについては当社HPよりお求め下さい)

今回はイタリアとスイスそして一部ドイツとの間の国際区間を運行するEC用車両のETR610です。この区間のECは以前チザルピーノと呼ばれていた列車になります。

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ETR610は外観でわかるように以前にご案内したイタリアのETR600をベースに国際間の乗り入れができるようモディファイした車両になります。2009年から営業運転をスタートし、ETR600と同様に最高時速は250キロながら、車体傾斜(チルト)機能が付いていて、カーブの多いスイスの山岳路線でもより速く走れるようになっています。

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運行区間は主にミラノとジュネーブ、チューリッヒ、バーゼル間で、1日1便はバーゼルからドイツのフランクフルトまで足を延ばします。特にスイス内やスイスとイタリアの国境あたりは湖やアルプスの山々も美しく、車窓風景も楽しめる区間となっています。またチューリッヒとの間の便は2016年に開通したゴッタルドベーストンネルのおかげでかなり所要時間も短縮され便利になりました。

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車内はもちろん1等(1+2列の3列配置)と2等(2+2の4列)からなっており、内装やシートもジウジアーロデザインだけあってモダンかつオシャレな雰囲気です。画像のような食堂車やバー車両なども連結され、車内での風景を楽しみながらの食事も可能です。

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なお外装のカラーリングはスイス側所有の車両の場合はホワイトとレッドで、イタリア側所有の車両の場合はETR600と同様にシルバーと赤がベースのアルジェントカラーになります。

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秋以降になるかと思いますが、今後ヨーロッパ旅行が再開されたらぜひご利用ください。

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ロシアの大地を疾走する高速列車サプサン Velalo RUS / Sapsan Velalo RUS Russian high speed

17 7月

(ヨーロッパの列車チケットについては当社HPよりお求め下さい)

先週のフィンランドに続いて、今回はそのお隣りで一応日本とも隣国のロシアの高速列車サプサンです。

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ロシア語で「はやぶさ」を意味するサプサンは、車両的には見た目でも分かるようにドイツのICE3ベースのVelalo RUSが使用され、ロシアの一番のメインルートのモスクワとサンクトペテルブルク間などを運行しています。運行開始は2009年で、最高時速はやや控えめの250キロで運転されています。なおロシアもフィンランドと同様レール幅が通常のヨーロッパ標準より広いため、車両にもそれに合わせた改修がされています。 

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このサプサンはクラス的には大きく分けて、ファースト(FIRST)、ビジネス(BUSINESS)、エコノミー(ECONOMY)の3クラスとなっています。ファーストは1+2列のゆったり配置で、ビジネスとエコノミーは2+2の4列配置となります。

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またファーストとビジネスには食事等のサービスが付いていて、下の画像のように座席にサーブされます。(エコノミー等でも食事サービス付の車両もあります)

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なおロシアの大都市で駅が方面別に複数ある場合、それぞれの駅名にはその駅から発着する目的地の都市名が付いているケースが多く、モスクワとサンクトペテルブルク(旧市名レニングラード)間ですと、モスクワはレニングラード駅(オクチャブリスカヤ駅とも呼ぶ)、レニングラードはモスクワ駅(中央駅とも呼ぶ)の発着となります。またロシアの駅に入る際にはどこも通常荷物検査がありますので、一応利用の際は留意するといいように思います

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ロシアはちょっと行きづらいイメージはありますが、主要都市間は列車の利用もなかなか便利です。ぜひ今後ロシア旅行の機会がありましたら、ぜひ列車利用もトライしてみて下さい。

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なお来週は連休期間に入りますので、このブログもお休みとします。話題のGOTOトラベルキャンペーンも利用できる方はうまく使って、旅行業界を助けて頂ければと思います。

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森と湖の国フィンランドの高速列車S220ペンドリーノ SM3 Pendolino / Finnish Pendolino

10 7月

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さて前回のノルウェーに続いて今回は同じく北欧のフィンランドです。

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フィンランドのフラッグシップといえる高速車両が1995年から導入された、このSM3Pendolinoです。フィンランド内をS220ペンドリーノの列車名で、首都ヘルシンキと主要都市のタンペレやトゥルク、クオピオとの間などのメインルートを運行しています。

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このSM3は、エクステリアからも分かるようにイタリアのペンドリーノ車両ETR460をベースにした車両で、車体傾斜機能が付いており、カーブの多い区間でもスイスイと速く走ることが可能です。またS220の列車名の通り営業運転の最高時速は220キロに達します。ちなみにフィンランドはレール幅が通常のヨーロッパの標準(1435ミリ)より広い1522ミリとなっており、もちろん車体もそれに合わせて作られています。

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また車内は1等(フィンランドではEKSTRAクラスと呼びます)と2等から構成され、1等はゆったりした2+1列のシートでドリンクのサービスも付いています。もちろんいずれのクラスでも車内は快適です。

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オーロラも楽しめる今後のフィンランド旅行の際はぜひこのS220ペンドリーノなど便利で快適な列車をご利用ください。

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ちなみにフィンランドとロシアのサンクトペテルブルクを結ぶアレグロに使用されている車両はSM6で、見た目はかなり似ていますが、中身はより新しいETR610の機能が取り入れられています。次回はロシアの車両を取り上げるようにします。

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フィヨルドも美しいノルウェーの主要ルートを結ぶクラス73車両 / Norwegean train Class73

3 7月

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今週から7月に入りましたが、今回は今の時期白夜でも有名な北欧のノルウェーです。

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ノルウェーは国土が山がちということもあり、スウェーデンと同様TGVなどのような最高時速300キロクラスの列車は運行していませんが、そんなノルウェーで、首都オスロとベルゲンやスタバンゲル、またスウェーデンのヨーテボリなど主要都市間を運転しているのがこの長距離用車両のClass73です。

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このClass73は1999年に運用がスタートした車両で、当初はシグナチュール(Signatur)の列車名で運行されました。最高速は控えめの時速210キロとなりますが、チルト(車体傾斜)機能が付いていて、山の中のカーブの多い区間でもより速いスピードで走行できるようになっています。車内のインテリアにはウッドがかなり使われていて、ナチュラルでモダンな印象です。もちろん快適性は問題ありません。

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またノルウェーの列車で特徴的なのは、原則として座席クラスが2等(スタンダード)のみとなっている点で、そのためお席はいずれも2+2席の4席配置となっています。なお長距離を走るベルゲン線などについては、よりハイグレードでドリンクなどのサービス付きの2等コンフォート(Konfort)席も設定されていますので、プラスのサービスが希望の場合にはお勧めです。(ドリンクに関しては通常2等でも車内の自動販売機等で購入することが可能です)

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ノルウェーの列車は山の中を走ることが多い点もあってどうしても所要時間が長めにはなりますが、その分車窓風景もガッツリ楽しめるかと思います。ぜひ今後のノルウェーの都市移動やフィヨルド観光の際には列車をご利用ください。

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イギリス 日立製の新型高速車両 クラス800 / UK class800 by Hitachi

26 6月

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6月も下旬に入り、日本でもヨーロッパ各国でも経済活動が徐々に再開してきていますが、今回はイギリスの高速車両です。イギリスは、他のヨーロッパ大陸の国々と比べて高速列車の発達が遅れてきましたが、そんなイギリス内で2017年より導入が開始となったのがこのクラス800です。

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クラス800は日本の日立製作所によって開発された新型車両(製造はイギリス内)で、初めにロンドンとバースやブリストルなどとの間の西方面の路線(グレートウエスタン社)で運行をスタートし、さらに昨年からは「AZUMA」のネーミングで、主要幹線の東海岸線(ロンドン/エジンバラなど)でも運転を開始しています。

UK AZUMA

最高時速は、イギリスの線路事情に合わせて200キロ程度と控えめですが、以前のIC225などと比べると快適性や経済性などはぐっとアップしています。こうした日本ベースの車両が採用されるのは日本人としてはうれしい限りで、今後さらに他の幹線区間でも導入が進む予定となっています。

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なおロンドンとマンチェスターやグラスゴーなどを結ぶ西海岸線では、ヴァージントレインズ以来のペンドリーノ車両(クラス390)が運行されており、当面イギリス内の高速列車はこのクラス800とペンドリーノが担っていくこととなります。また今後ロンドンとバーミンガムなどを結ぶ高速新線(HS2)が開業すればさらに最高時速300キロクラスの高速車両も導入されるでしょう。

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こうした新車両の導入でイギリスでの列車利用がさらに便利で快適になっていますので、ぜひこれからもイギリス内の移動には列車をご利用下さい。

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イタリア フレッチャアルジェント用のペンドリーノ車両 ETR600 / Italian pendolino ETR600

19 6月

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今回はまたイタリアに戻って、トレンイタリアのフレッチャアルジェントで使われている高速車両のETR600です。フレッチャアルジェントはフレッチャロッサとも並ぶトレンイタリアの高速列車で、その名前(イタリア語で銀の矢の意味)のようにシルバーを基調としたカラーリングが印象的と言えます。

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このETR600は2008年に営業運転をスタートした車両で、最高時速自体は250キロに抑えられていますが、その特徴は前回のX2000同様に、車体傾斜機能(チルト機能/振り子式)が付いている点です。ですので高速新線以外のカーブの多い従来路線でも車体を傾けて速く走ることが可能となっています。

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イタリア内では主にローマやフィレンツェとベネチアを結ぶルートの他、リミニやバーリ、ボルツァーノなど高速新線の開通していない区間などをメインに走行しています。

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高速新線上のナポリ/ローマ/フィレンツ/ミラノなどの移動についてはやはり看板列車のフレッチャロッサを利用することが多いですが、それ以外の区間ではこのETR600(フレッチャアルジェント)を利用するケースが多くなります。

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イタリア旅行に行けるようになるのは秋以降になるかと思いますが、その際にはぜひご利用ください。

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スウェーデンの高速車両X2000/ Swedish high speed X2000

12 6月

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6月に入って少しずつ夏っぽい気候になってきましたが、今回取り上げるのは北欧スウェーデンの高速列車X2000です。

X2000 STO

このX2000はスウェーデン国内のストックホルムとヨーテボリやマルメなどの主要路線を運行する他、お隣のデンマークのコペンハーゲンや、季節によってはノルウェーのオスロにも乗り入れ、北欧を代表する高速列車と言えます。一時SJ2000(SJ=スウェーデン国鉄)と呼ばれていた時期もありましたが、現在はSJ3000(比較的短距離向け)などと合わせて、SJSnabbtåg(SJ高速列車)として運行されています。

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このX2000の場合は、ICEやFロッサのようにもともと高速新線上を走る前提ではなく、通常路線を走行する用に作られており、営業運転上の最高時速は200キロ(最大210キロ)に抑えられている一方、車両には車体傾斜(チルト)機能が付いていて、カーブなどでもより早く走ることができるようになっています。これで例えばストックホルムとコペンハーゲン間の場合はおよそ5時間で結ばれています。
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またクラスは1等と2等に分かれていて、1等にはドリンクのサービス(平日は時間帯によって朝食サービスあり)が付いています。車内はウッドも使われてちょっとナチュラルの雰囲気で、なかなか居心地が良く、快適なイメージです。なおこのX2000のデビューは1990年で、それなりに年月も経ってきていますが、車内外の改装やリニューアルも進められ、実際に乗車すると他国の最新の車両と比べても特に遜色は感じられません。

X2000 INSIDE

スウェーデンも含め、ヨーロッパでも徐々にロックダウンの解除が進み、通常生活への回帰が進められています。今後の北欧への旅行の際にはぜひこのX2000をご利用ください。

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ドイツの最新のICE車両 ICE4 / newest and clever ICE

5 6月

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ドイツを含め、ようやくヨーロッパ各国でも以前のロックダウン状態から徐々に経済の再開が進められていますが、そんなドイツで2017年から導入された新型のICE車両がこのICE4です。

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ICE4は、2017年12月にハンブルク⇔ミュンヘン間で運用が開始され、その後ベルリンも含め徐々に運行列車を拡大し、昨年末からは国際区間でも使用されるようになるなど、今やICE3と並ぶICEの主力車種の1つとなっています。

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このICE4は、現在のICEのフラッグシップ車両のICE3の進化版というわけではなく、むしろ効率性や環境性能などを重視した車両で、最高時速は250kmに抑えて、ドイツ内で高速線から準幹線までマルチに使用できるように造られています。また客席数が多く、一度に多くのお客さんを運べるのも特徴です

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エクステリアは今までのICE車両と比べると直線的なスタイリングが特徴的で、ヘッドライトのあたりは好き嫌いが分かれそうなデザインですが、新鮮なイメージは伝わってきます。車内のインテリアに関しては、重厚感のあった従来のICE3などと比べると、比較的シンプルでライトな雰囲気になっています。

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このICE4は、当面少々年季が入ってきたICE1車両の置き換えに使われ、さらにその後は現在はICとして運転している列車のICE化にも使われていく予定となっています。将来的にドイツの高速列車ネットワークでは、主要高速線ルートはICE3が、それ以外はICE4が、それぞれメインで使用されていくことになるようです。

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今後ドイツ内の列車移動ではさらにこのICE4を利用する機会が多くなるでしょう。

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イタリア イタロの主力車両AGV(575) Fロッサのライバル / Italo AGV

29 5月

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ようやく日本では緊急事態宣言が全面解除され、ヨーロッパでも徐々にロックダウンが緩和されて列車運行も段階的に正常化が進められていますが、そんな中で先週5/21に通常運行への第一歩としてスケジュール改正をしたのが、このイタリアの新高速列車のイタロです。イタロはイタリアでの鉄道のオープンアクセス化に合わせて2012年に運行を開始しましたが、そのデビュー以来主力車種となっているのがこのAGV(575)です。

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AGV575はフランス系のアルストム社製で、もともとTGVなどの技術をベースにしていて、イタロでの最高運転速度は300KPH(設計上は360kph)に達し、ライバルのフレッチャロッサ500や1000に引けを取りません。また外見上はこの落ち着いたレッドの色合いがイメージカラーとなっています。

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また利用クラスは、4タイプに分かれていて、それぞれ、スマート(2等)、コンフォート(中間クラスで席は1等と同等)、プリマ(1等)、クラブ(特等に相当/個室もあり)となっています。なおプリマにはドリンク等のサービスが、さらにクラブには食事のサービスもついています。(下の画像はスマートになります)

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もともとの国鉄であるトレンイタリアが運行するライバルのフレッチャロッサに比べると、車内や乗務スタッフの雰囲気はどちらかと言うとカジュアルなイメージです。どちらが優れているというよりは、利用する側の好みやその時の旅行スタイルなどで利用する列車を決めるのがいいと思います。

ITALO INSIDE

ぜひ今後、またヨーロッパとの間の渡航が普通に可能になって、イタリアを旅行される際にはFロッサなどと合わせてこのイタロもご利用ください。

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