ロンドン エリザベスライン 市内間の移動にも空港アクセスにも便利! London Elizabeth Line convenient way to move!

ロンドンのエリザベスラインは2022年に本格開業したロンドンの東西を結ぶ新しい鉄道路線で、ヒースロー空港や、ロンドン中心部のパディントンやトッテナムコートロード、再開発エリアドックランドのカナリーワーフなどを結んでいます。ロンドンの新しい大動脈路線と言ってもいいでしょう。また直近ではこのエリザベスラインの運営に来年5月から東京メトロが参画することでも話題になっています。

旅行客にとって利用機会が多めなのはやはりヒースロー空港との間のアクセスでしょう。このエリザベスラインは2022年の本格開業前はこの空港とパディントン間の西側区間と東側区間とで別々の運転でしたが、市内中心部の新トンネルの開通で東西路線がつながって、空港と都心部のボンドストリートやトッテナムコートロード、東側のリバプールストリートなどと直結するようになりぐっと便利になりました。

もちろん、もともと空港アクセス列車としてはヒースローエクスプレスが運転しており、パディントンとの間をわずか15分で結んでいます。エリザベスラインの場合は通常の近郊列車のため途中いくつも駅に止まりますので、ヒースローエクスプレスほど速くはないのですが、概ねパディントンまでは30分弱、トッテナムコートロードといった中心部には40分程度というイメージです。

ヒースロー空港から、より早く移動したい人はヒースローエクスプレス、そこまでは急いでなくてそのまま中心部直結の利便性重視の場合はエリザベスライン、また特に時間は気にしていなくて安めに行きたい場合やピカデリーサーカスなどに乗り換えなしで行きたいといった場合には地下鉄ピカデリーラインということで、棲み分けはできているように思います。

なおこのエリザベスラインのイメージカラーは画像のようにちょっとトーンを落としたパープルになります。ロンドン地下鉄の各路線もそれぞれイメージカラーがありますが、パープルは少し目立ってわかりやすいように思います。ちなみにエリザベスラインは市内の多くの区間で地下を運行するため、地下鉄だと思っている方もいらっしゃいますが、あくまで地下を走る通常の鉄道路線になります。パリのRERとメトロの関係に似ているかもしれません。

車内はこうしたロンドンの近郊列車のイメージです。結構席数も多いですので、座れないということもなかなかないでしょう。 車両も新しくキレイですし、 30~40分程度乗るには十分の快適性だと思います。

またもちろんロンドン市内を横断する路線になっていますので、パディントン、トッテナムコートロード、リバプールストリート、カナリーワーフなど市内間の移動にも使い勝手がよく、便利に利用できます。

このエリザベスラインは、ロンドントラベルカードやオイスターカードはもちろん、ブリットレイルパスやユーレイルグローバルパスでも利用が可能です。ロンドンの空港アクセスや市内での移動に、ヒースローエクスプレスや地下鉄などと合わせてぜひご利用ください。

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ユーロスター(イギリス発着)の1等(プラス)の食事サービス/ Eurostar(from/toUK) Meal sevice in Plus class

今月11月からユーロスターはクラスの名称が変更され、1等プレミア、1等プラス、2等(スタンダード)の3つに旧タリス区間も含めて統一されましたが、従来通りイギリス発着のユーロスターの1等にはプラスも含めて、時間帯に応じた食事のサービスが付いています。1等プレミア(旧ビジネスプレミア)は料金的にはかなり高額となりますが、1等プラス(旧スタンダードプレミア)は2等とそれほど大きな料金差はなく、こうしたミールサービスもありますので、ちょっとお勧めのクラスではあります。

ユーロスターの1等はいずれもこうした1+2列の3列配置となっています。シートも現代的なデザインとなっていて、座り心地も快適です。そして出発後しばらくするとこの各席にワゴンが回ってきて食事のサービスがスタートします。

そのユーロスターの旧スタンダードプレミア(現プラス)の食事サービスですが、内容はややシンプルながら、なかなかハイクオリティな内容となっています。もともと海峡トンネルを越えて運行するこのユーロスターの1等のウリの1つはこの車内の食事でしたが、以前よりやや軽めになったとはいえその流れはまだまだ続いているようです。

カトラリー類も汎用品ではなくユーロスターの刻印入りなのがその気合いを感じさせます。ちょっとスペシャル感もあって気分も上がります。

ワインやビールなどのアルコール類も頼めますし、ちょっとしたデザートも付いています。見た目のクオリティもなかなかです。もちろん食後にはコーヒーや紅茶などもサーブされます。

これは他の日(数年前)の内容になりますが、ボリューム的にはそれほどではないものの、こうしたレベル高めのメニューが提供されます。

そんなこんなで食事を済ませ、テーブルもきれいになるとほどなく到着です。ブリュッセルやパリとロンドン間の所要時間は2時間から2時間20分程度ですが、その間の食事としてピッタリの内容となっていると思います。

上はロンドンのセントパンクラス駅ですが、こうして到着後はホームに降りてそのまま外へ出場していくことになります。
ロンドン発着のユーロスターを利用の場合は、ちょっとしたアップ料金で、食事も含めかなりのプラスアルファを感じられる1等プラスもお勧めです!
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ちょっと特徴的なイギリス発着ユーロスターの乗車プロセス Boarding process to Eurostar(with UK)

フランスやベルギー、オランダ、ドイツそしてイギリスを結ぶ人気の高速列車ユーロスターですが、その内でイギリスとの間を結ぶ「オリジナル」のユーロスターは、通常のその他のヨーロッパ内の国際列車と比べ、乗車時のプロセスが特徴的になっています。それは出発国の出国と到着国の入国の手続を乗車前に行うるという点です。

これは、イギリスがシェンゲン条約の適用外のため、EU諸国との間の移動にはパスポートチェックが必要となる関係なのですが、イギリス関連のユーロスターに乗る場合はいずれもそのまま列車に乗りこむのではなく、専用のゲートから入場してこうした乗車手続を進めることとなります。 ブリュッセルの南駅ですと、ロンドン行のユーロスターに乗る場合は、この「CHANNEL TERMINAL」の表示のゲートから入ることになります。

中に入ると、フライトのチェックイン手続のような雰囲気でお客さんの列が続いています。そうして、ここではまずチケットのチェック、そしてX線による荷物のセキュリティーチェック、そしてEUの出国手続、さらにイギリスの入国手続の順で手続きを進めることとなります。混んでいるとかなり時間がかかる場合もあり、このためユーロスターでは出発の1時間か1時間半までに乗車口に来るよう推奨しています。

そしてようやくそれらの手続きが終わると、こうした待合スペースに到着です。やれやれと思いつつ、ここで乗車が開始になるまでしばし待つこととなります。

ここでは空港の出発ゲートのように多くのお店やカフェのようなものもあり、なかなかにぎやかです。ポンドやユーロのキャッシュが余っている場合にはこうしたお店で使い切るのもいいでしょう。

また特等にあたるビジネスプレミアなどの利用者については出発までこうした専用のラウンジも利用が可能です。

そうこうしている内、出発の大体15分から20分前位になると案内があって、車内へのボーディングが開始となります。ブリュッセルの場合はエレベーターやエスカレーターに乗って上階の乗車ホームへ向かいます。

そしてここで列車にご対面です。特に日本のようにホーム上には売店などはなく、そのままさっさと乗り込む感じになります。そして全てのお客さんが乗車後、まもなく出発となります。

なおロンドンのセントパンクラス駅のユーロスターの乗車ゲートはこのようになります。ユーロスターの乗り入れ用に大改造したこともあってスペースには比較的余裕があります。

パリ北駅の場合は一度ワンフロア上がってユーロスターのゲートに向かうこととなります。
このように イギリス発着のユーロスターはちょっと乗車時にはいろいろ手続きがあり、早めに駅に来る必要がありますのでちょっと気に留めておいて下さい。
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ユーロスターやICE、TGVなどのターミナルステーション ブリュッセル南駅 / Brussel Midi-Zuid station

ベルギー内のみならず、ドイツやフランス、オランダそしてイギリスといった周辺国との間の列車のハブにあたるのがこのブリュッセルの南駅です。

前にも案内しましたように、ベルギーではフランス語とオランダ語の両方が公用語となっている多言語国家 (一部地域ではドイツ語も公用語) で、こうした駅名もフランス語のMidiとオランダ語のZuidの双方で表記されます。

グランプラスといったブリュッセルのいわゆる中心街からはちょっと離れているのですが、メトロや近郊列車で数分程度でアクセスでき、市内からの利用にも便利にできています。

多くの列車が発着することもあって、ホームから下に降りるとこのようにコンコースや通路を多くの人が行き交っています。もちろんカフェなど飲食関連をはじめとした各種のショップやコインロッカーなど多くの設備も整っていて、旅行者も困ることはありません。

パリやアムステルダムなどとの間を結ぶユーロスター(もともとのタリス)やフランフルトなどとの間のICE、パリ方面との間のTGV、またロンドン方面とのユーロスターなど多くの列車がこの駅を発着しています。 ブリュッセルがたとえ目的地でなくても、ヨーロッパを鉄道旅行していると、ミュンヘン中央駅やミラノ中央駅あたりと同様、何かと乗り換えなどで利用することの多い駅と言えます。

このブリュッセル南駅は便利で利用価値の大きい駅になりますので、乗り換えなどの際も安心してご利用下さい。
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ドイツとベルギーを結ぶ国際間ICE / International ICE Germany-Belgium

前回書いたように、近年遅れや運休などが目立つICEですが、そのネットワークはドイツ国内だけではなくベルギー、オランダ、フランス、オーストリア、スイスといった近隣諸国に及んでいます。そしてベルギーのブリュッセルへはフランクフルトやケルンから概ね2時間に1便が運行しています。

ベルギーとの間のICEの車両は、ブリュッセルにEUの多くの機関があることもあって、多くがこうしたブルーのEUカラーをまとったカラーリングとなっています。ちょっと新鮮なイメージではあります。

また車体にはこうしたヨーロッパの一体性を強調するようなロゴも描かれています。なお画像は今年1月のものですが、今年6月頃よりこの区間はより新型のICE3neoという車両で運行されています。

車内はICEらしく機能的な配置でゆったりしています。ビジネス需要をメインにしているようで、ICEの車内デザインは濃色の落ち着いた配色になっています。ヨーロッパの他の多くの列車と同様に1等は1+2列の3列配置、2等は2+2列の4列配置になっています。

ケルンとブリュッセル間の所要時間は概ね1時間50分ほどで、途中のアーヘンまでがドイツ内になります。この先は国境を越えてベルギーに入ります。

このドイツとベルギー間のICEの終着駅(出発駅)はブリュッセル南駅(MIDI/ZUID駅)なります。その手前でブリュッセルの北駅にも停車しますので、ブリュッセルの中心部へ行かれる場合には北駅で降りた方が便利かもしれません。

ブリュッセル南駅は、ベルギー国内はもちろん、ロンドンやパリまたアムステルダムなどへのユーロスターも発着する一大ターミナル駅になります。ちなみにベルギーではオランダ語とフランス語が公用語となっており、このブリュッセル南駅もMIDI(フランス語)とZUID(オランダ語)の両方で表記されます。

ホームから下の駅コンコースに降りると、多くのショップなどもあってなかなかにぎやかな駅です。このドイツとベルギーを結ぶICEは便利ですのでぜひ今後のヨーロッパ旅行でもご利用ください。
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ドイツICE 便利で快適な高速列車、でもいつも遅れてる?/ German ICE- confortable and convenient, but always delayed?

ドイツの高速列車と言えば、白と赤のDBカラーをまとったこのICEです。ドイツのベルリンやフランクフルト、ミュンヘン、ケルン、デュッセルドルフ、ハンブルク、ニュールンベルク、ライプチヒといった主要都市間を結んでいます。また近年はベルギー、オランダ、スイス、オーストリアなどの近隣諸国との間でも運行しています。(白と青やグリーンの配色の車両もあります)

また、上の画像は1等になりますが、1等でも2等でも座席は結構ゆったりしていて快適です。 車内は落ち着いた雰囲気で長めの乗車でも特に疲れることもなく利用できます。

また1等ではケータリングのサービスもあり、車内でちょっとした名物料理などをビールやワインと一緒に楽しむこともできます。 2等の場合は 食堂車やビストロカーでゆっくり食事がとれます。

このようにドイツのICEは便利で快適なのですが、ここ数年問題となっているのは、こうしたICEがしょっちゅう遅れたり、さらには運休となるなど、運行の正確性がかなり低くなっていることです。 この背景には民営化以降設備や車両への投資が進められなかったことや直近のコロナなどによるマンパワー不足などがあると言われています。

上の画像は7:42のブリュッセル行のICEが運休となった際の駅の掲示ですが、こうした急な運休や、 また車両が直前に変更となって予約した席が無くなるなど、いろいろなトラブルも出ています。

ドイツの列車は以前は日本に似た正確できっちり運転されるイメージでしたが、現在はヨーロッパ主要国の中でも定時運転率がイタリアを抜いてほぼ最低となっているのです。

ですので当面残念ながら、ドイツの列車移動の際には時間に余裕を持ってプランニングし、そして現地では乗車前にHPなどでその時点での運転状況をよく見ておくと、よりストレスのない利用ができると思います。

今後の改善されるとも思いますが、当面ドイツでのICEなどの長距離列車の利用の際はその辺りを ちょっと 気にかけてください。でもそんな時はイライラせず駅のカフェでちょっとのんびりするのもいいものです。

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2020年開業のベルリン空港駅 ベルリン市内や周辺への移動に便利! Flughafen BER station

ドイツにはフランクフルトやミュンヘン、デュッセルドルフなどいくつか大きな国際空港がありますが、首都ベルリンでも、もともとのシェーネフェルド空港が拡張され、 2020年に 新たにブランデンブルク空港が開業しました。ここにももちろん空港駅が設置され、空港アクセスが便利になっています。

この新しいブランデンブルク空港はもともとは2011年の開業が予定されていましたが、開業直前に工事の不備などが発覚し、結局予定より大きく遅れて2020年の開業となりました。

この新しいベルリンの空港駅はターミナル1と直結していて、その地下に位置しています。ターミナル2からは通路などを通ってターミナル1に移動して頂くこととなります

空港ターミナルにはこうした列車の発着時間の掲示板もあってベルリン市内など各地への列車のスケジュールが表示されています。

空港ターミナルからは地下へおりるとすぐ駅になります。最近できたということもあって設備などは新しく、機能的な造りとなっていす。このベルリンの空港駅の場合、ベルリン市内やポツダムなどの周辺都市との間の近郊列車の発着がメインとなっています。ただ一部ドレスデンなどドイツ東部との間のICなどの長距離列車も乗り入れていますので、少しですが鉄道ハブ的な機能も持っています。

ベルリン市内などとの間はこうしたFEXと呼ばれる快速列車や、都市近郊列車のSバーンが頻繁に運行しています。大体1時間に5便程度は走っているイメージです。中央駅との間の所要時間はFEXで30分少々になります。

ぜひベルリン新空港からの市内アクセスや周辺都市への移動にも列車をご利用ください。ただ近年ドイツの列車は残念ながら遅延などが目立つようになっていますので、ご利用の際は時間に余裕をもって旅程を組むことをお勧めします。

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ナイトジェット カプセルタイプの新型クシェット ミニキャビン Nightjet Mini-cabin

人気の夜行列車ナイトジェットの新型車両ですが、そのトピックの1つがミニキャビンと呼ばれる新しいカプセルタイプのクシェット(簡易寝台)です。ヨーロッパの夜行列車の多くには、個室寝台とは別に、4~6人定員で相部屋またはミニグループ用にリーズナブルに利用できるクシェットが連結されていますが、相部屋の場合には、カーテンなど仕切りもなくプライバシーや防犯の面がちょっとネックでした。それに対しこのミニキャビンは、コンパートメントではなく、それぞれのベッドをカプセル的なキャビンにして独立させた造りになっています。

このミニキャビンでは上下2段のベッドが2列ずつ向き合っていて、 それぞれのベッドがシャッターで開閉ができるようになっています。シャッターはもちろんロックすることも可能です。隣のキャビンとの間には荷物用のロッカーが設置されており、フライトの機内持ち込みの上限程度の大きさの荷物は十分に入ります。それより大きい荷物は乗務員に伝えて預かってもらうことになります。

間違いなくこのミニキャビンは日本のカプセルホテルにインスパイアされたのでしょう。ですので日本人はわりとすんなり利用できるように思います。 上段へはステップを上って中へ入ります。ちょっとアクロバティック気味になりますので、その点では下段が便利かもしれません。

キャビン内に入って、シャッターを閉じると大体こんなイメージになります。さほど広いとまでは言えませんが横になったり、一晩を過ごすには十分に思います。日本のカプセルホテルを少し狭くした感じです。

ちょっと足が見苦しくて恐縮ですが、こんな感じで横になることができます。テーブルは跳ね上げると鏡になっていてなかなか機能的な造りです。また画像にもありますが、カードキーも付いていて、トイレなどに出るときは外からロックすることも可能です。

また奥のようには電源プラグも付いていて、wifiも利用可能です。枕と毛布はもちろん備わっています。 空調などもキャビンごとに調整ができますし、小さいながらも窓があり、外の風景を見ることもできます。

このようになかなか快適なキャビンで夜を過ごすと、翌朝は朝食がそのままキャビンの方へサーブされます。シンプルですが、なかなかクオリティ高めの朝食です。

シングルや2人部屋個室は高すぎるけれども、座席車や相部屋のクシェットには抵抗のある方に、料金とプライバシー性とが両立したこのミニキャビンはぜひお勧めです。からミニキャビンは新型車両のみの連結ですが、今後この新型車両も増備が進み、多くの区間で利用できるようになるでしょう。

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ナイトジェット 新世代車両 快適に進化中! Nightjet New Generation

オーストリアやドイツ、スイスを中心にヨーロッパ各国を結ぶ人気の夜行列車がナイトジェットですが、昨年末よりオールブランニューの新世代車両も導入が開始されています。

ヨーロッパではICEやTGVなど昼間の高速列車は新型車両の投入が相次ぎ、日々進化が続いていますが、 夜行列車に関しては、ナイトジェットも含め、以前からの車両をリニューアルする程度でなかなかハードウェア的な進化がありませんでした。その点から言ってもこの新型車両の登場は画期的と言えるでしょう。なお今のところはハンブルク⇔ウィーンやハンブルク⇔ミュンヘン(インスブルック)などの路線で使用されており、今後も増備が進められる予定となっています。

この新車両は、最高時速230キロまで対応可能なスピード性能も持ち、車体もよりなめらかな現代的なデザインとなっています。 また車内も同様にWIFIが利用可能となり、また客室にUSB電源も備わるなど、現代的な旅行形態に対応できるようになっています。

また車内インテリアも、今までのちょっとレトロな夜汽車イメージからぐっとモダンなデザインとなっています。こうしたタイムテーブルなどの情報をマルチに表示するモニターも装備され洗面台などの設備も一新されています。

従来からのクシェットは、2段ベッド×2の4人部屋が導入され、今までのような窮屈感もなくなっています。また個室寝台(Sleeper 1~2人用)についても、必要充分な設備をもったコンフォートと、より広くさらに快適なコンフォートプラスの2タイプとなり、どちらもシャワー&トイレ付となっています

また話題になっているのはミニキャビンと名付けられた、新型のカプセルタイプのクシェットです。比較的リーズナブルな料金で、かつプライバシーも保てるということで人気のカテゴリーとなっています。このミニキャビンについてはまた次回にご案内します。

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イタリアのドイツ語圏の南チロルからブレンナー峠を越えてオーストリアへ Italy South Tirol to Austria

ヨーロッパの南北を結ぶアルプス越えの鉄道ルートはいくつかありますが、その内の重要な1つが、ブレンナー(ブレンネロ)峠経由でイタリアのベローナとオーストリアのインスブルックを結ぶルートです。このルートは車窓風景の点でも文化的にもなかなか面白い路線です。

列車はベローナを発車すると北へ向かいます。徐々に山と山の間が狭まってきて、旅行気分も高まります。

そして峠へ向かう途中のボルツァーノは、南チロルと呼ばれる地域の中心都市になります。そしてこの地域はその名前でもわかるようにドイツ語が話されるエリアになります。そのため言語もイタリア語に加えて、ドイツ語も公用語となっていて、駅名はボルツァーノ(イタリア語)とボーツェン(ドイツ語)の両名併記となっています。

街へ出てみると表記はドイツ語メインで、街並みもイタリアというよりは明らかにオーストリアかドイツの雰囲気が感じられます。イタリアの独立戦争や第一次世界大戦など、このエリアの領有をめぐってオーストリアとイタリアで激しい戦いも行われましたが、現在はイタリア内のドイツ系の自治県となっています。

そしてボルツァーノから北へ向かうとさらに山が深くなっていき、峠も近づいてきます。冬の時期は雪にも包まれます。

そして標高1300メートルを越えるブレンナー峠に到着します。ローカル列車を利用する場合はここでオーストリア側の列車に乗り換えます。もちろんレイルジェットなどを利用すればそのまま乗り換えなくオーストリア方面へ移動ができます。

オーストリアのインスブルック行きの列車の車両はオーストリアの国旗の赤と白をを基調としたカラーリングで、なかなか新鮮です。

車内のインテリアもオーストリアらしく赤がベースです。こうして列車はオーストリア側の本家(?)チロル地方の中心都市のインスブルックに到着します。

美しい車窓風景ももちろん、ちょっとした文化や言語の違いも感じられるのが、ヨーロッパの列車旅の楽しみの1つかもしれませんね。
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