前回はローマパスについてお伝えしましたが、そのローマやフィレンツェ、ベネチア、ミラノなどイタリア内の主要都市間を結び、より人気上昇中の高速列車がこのイタロです。このイタロも運行開始から5年を迎え、ネットワークも拡大し、利便性もますますアップしています。
イタロは、当初、トリノ/ミラノ/ボローニャ/フィレンツェ/ローマ/ナポリ/サレルノ間のメインルートで運行を開始し、それからさらに、ベネチア、ベローナ、ブレシアなどへの路線などを拡大してきました。現在ではナポリより北であれば、ミラノ/ベネチア以外のほとんどの主要都市間をカバーしています。また運行開始直後はローマのテルミニ駅やミラノのセントラル駅に乗り入れができないなどやや利用しづらい面もありましたが、それも現在では解消し、普通に中央駅から中央駅に利用できるようになっています。
image: italotreno.it
また新しい運行会社ということもあって、ライバルのトレンイタリア(もともとのイタリア国鉄)のフレッチャロッサなどの列車と比べると、全体的にフレンドリーでカジュアルな雰囲気といえます。また各駅にはイタロ専用のサービスデスクのカーサイタロ(casa italo)が設置され、チケット購入や相談などはそこで行うこととなります。(逆にそれぞれの駅の通常の窓口はトレンイタリア用となっていて、イタロのチケット購入等はできません)
また利用クラスも特徴的で、通常の2等となるスマート(smart)、1等と2等の中間クラスにあたるコンフォート(confort)、そして1等のプリマ(prima)、さらに特等となるクラブ(club)の4クラスに分かれています。(画像は上がスマート、下がクラブ)
それぞれの特徴をざっと言いますと、普通に2+2列配置のスマート、1等と同様の2+1列ながらドリンク等のプラスサービスがないコンフォート、2+1列配置でドリンクなど各種サービス付きのプリマ、よりゴージャスな2+1列配置(個室あり)でハイグレードなサービス(食事など)付きのクラブといったところです。スマートでも特に窮屈な雰囲気はなく、wifiはどのクラスでも無料で利用できます。
なおイタロの運行会社(NTV)にはフランス国鉄(SNCF)の資本も入っていて、車両もフランス製(AGV)を使用しています。ヨーロッパ各国での列車運行の自由化の中で、国同士のバトルも垣間見えてなかなか興味深いところです。またトレンイタリアとの競争により、利便性も上がり、料金も下がるなど、利用者の利益にかなうところも大きいです。
今年末から来年にはペンドリーノタイプの新型車両も導入される予定で、今後さらにイタロの運行ネットワークが広がり、所要時間も短縮される見通しです。トレンイタリアとの競争もあって、イタリア内の列車移動がさらに便利になっていくでしょう。
image: italotreno.it
ぜひ今後もイタリアでの旅行や出張には、より便利になるイタロやフレッチャロッサなどの高速列車をご利用ください。
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