ドイツでも新型車両「ICE4」が発表 -営業運転は来年12月から/ German ICE4

24 9月

先週はTGVの新型車両をご案内しましたが、その「ライバル」のドイツでもほぼ同じ日にベルリン中央駅で新型のICEが発表されました。それがこのICE4です。

ice4
(image : deutschebahn.com)

エクステリアは、ホワイトとレッドの「DBカラー」は従来のICEと同じですが、より直線的な特徴あるスタイリングになっています。また車内は従来のICE同様のイメージですが、新型のシートも含めどちらかというとよりシンプルな雰囲気となっています。もちろんWIFIも利用可能で、新しく採用されたLED照明も含め、より快適な移動が楽しめそうです。また旅行の楽しみの1つは食事ですが、このICE4でもICE伝統の食堂車はちゃんと連結されます。なお1列車12両編成で座席数は1等2等(205+625席)合わせて830席とかなりのキャパシティーを誇ります。

ice-inside(image : deutschebahn.com)

このICE4は、現在のICEの主力車両のICE3の進化版というよりは、その方向性を変えて、メインの幹線以外も含めてドイツ全体で汎用に使えるICE車両ということで開発されています。ICE3が最高時速300km(設計上は330km)を誇るのに対し、このICE4では250kmに抑えられている点にそれが表れていると言えるでしょう。その一方でスピードの代わりに、軽量化や省電力化などが図られ、効率や汎用性がより重視されています。

ice-rest(image : deutschebahn.com)

今後、来月からこのICE4は試験運転入り、1年少々じっくりチェックを受けた後、来年2017年の12月からハンブルク⇔ミュンヘン間で営業運転が開始される予定となっています。その後は現在のIC/ECを徐々に置き換えて、さらにICE1やICE2車両で運行されている区間をリプレースしていく予定となっています。今後将来的にドイツの各都市間は、メインの幹線ルートはICE3が、準幹線も含めた多くのルートはこのICE4が運行するという方向になっていくようです。今後このICE4の登場で、ドイツの列車利用がより便利になっていくことに期待しましょう!

BERLIN

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パリ/ボルドー線用の新型TGV車両(TGV Océane)が新発表/ New TGV train-‘TGV Océane’

17 9月

9月もあっという間に中旬になりました。週替わりで台風が来るのもちょっと気がかりです。

さて今週パリのモンパルナス駅で、パリとフランス南西方向のボルドやトゥールーズを結ぶ路線(アトランティック線)用の新型のTGV車両(TGV Océane)が初めて一般に公開されました。

new-tgv (image sncf.com)

まず印象的なのは外装のカラーリングです。TGVは現在のメインのイメージカラーはブルーとシルバーですが、ホワイトとレッドに改められ。なかなか見た目にも新鮮です。またハード的には、最高営業時速は320kmとなり、座席数も従来型の車両より2割程度多い1等158席、2等398席のトータル556席で、より輸送力もアップしています。

2cl (image sncf.com)

またインテリアも画像のようにモダンに一新されて、機能性や快適性が高められています。車内にはWIFIやUSBポートなども装備され、特に下の1等席はビジネス利用を意識していて、車内でのビジネスワークにも配慮したつくりになっている他、日本車両の影響か、ついに(?)フランスの列車で初めて席の方向を回転させる機能が付いていて、進行方向や人数に応じて、席の向きを変えることが可能となっています。

1cl-youtube (image sncf.com)

またバー車両などももちろん完備され、より現代的で居心地のよさそうなイメージの作りとなっています。

bar (image sncf.com)

この新型TGV(TGV Océane)は、今後まず12/11のウィンタースケジュール期間よりパリ/ボルドー/トゥールーズ間で営業運転を開始する予定となっています。そして来年7月に開業予定のパリ/ボルドー間の高速新線全通に伴って本格運転を開始し、その本領を発揮することとなるでしょう。(新線開通時にはパリ/ボルドー間は1時間以上短縮されて2時間ちょっとで結ばれる予定です) 今後この新型車両の登場と来年の高速新線開通によって、フランス内の移動がより便利で快適になりそうです。 (下はモンパルナス駅からの画像です)

MPN

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寝台車のシングル/ダブル/3人部屋は、実は同じ部屋!/ Single, Double, T3 sleeper

10 9月

さて今回はヨーロッパの寝台車についてです。
ヨーロッパでも夜行列車は近年徐々に本数も減ってきていますがそれでもドイツやオーストリアなどの中欧諸国を中心にまだまだ主要な移動手段として運行されています。

EN wien

その夜行列車ですが、多くの列車の場合、利用設備のタイプとしては寝台車(sleeper)、簡易寝台車(Couchet)、そして座席車(通常2等座席)が連結されています。座席車はその通り昼間と同様のシート車両、簡易寝台はその通りベッドのみの簡素な寝台で、通常3段ベッド×2の最大6人利用のドミトリータイプとなっています。ちゃんとした個室タイプなのが寝台車ですが、この寝台車は多くの場合、シングル/ダブル(2人部屋)/3人部屋の3タイプから選びことができます。もちろん料金的にはシングルが一番高く、ダブル、3人部屋の順で安くなっていきます。(下はシングル利用の場合の寝台です)

CNL CPH

普通にこう聞くと寝台列車にはホテルのようにもともと1人用、2人用の部屋などの各タイプが用意されているように思うでしょうが、実はこのシングル/2人部屋/3人部屋は同じ部屋なのです。つまり同じ部屋に3段分のベッドが装備されていて、それを1段だけ使うとシングル、2段で使うと2人部屋、3段出すと3人部屋になるのです。

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例えば上の画像は2人部屋としてセットされた寝台になります。少々わかりにくいかもしれませんがこの場合は、昼間は座席となる下段と、天井に近い上段の2段分を出して利用しています。その間には壁に中段が格納されていて、3人部屋の場合にはこの3段すべてを出して使うこととなるのです。なお夜行列車では2人部屋を通常ダブルと呼びますが、室内は2段ベッドとなりますので、もちろん通常のホテルのようにダブルベッドになることはありません。3人部屋利用の場合は3段ベッドとなりますので、個人的にはやや窮屈に感じる場合はあると思います。

CNL

なおシティナイトラインなど一部の列車については、通常の寝台車(洗面台のみあり)の他に、シャワーやトイレの付いたデラックスタイプも連結されています。これも同様にベッドが3段ついていますので、最大3人部屋までで使うこととなります。
またノルウェーやフィンランド、スペインの車両ではベッドが2段のタイプもあり、この場合はシングル/ダブルとして利用されます。(2段ベッド×2の4人部屋もスペインなどにはあります。)

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ヨーロッパの夜行列車は運行区間は減ってはきましたが、夜汽車の雰囲気もあって、旅行中に一度は利用してみると楽しいと思います。その場合には人数などに応じてベストなタイプの寝台を利用してください。

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ローマ、ミラノにもホームへのゲートがあります/ Gate to board in Roma & Milano

3 9月

前回はブリュッセルの空港駅のゲートについて書きましたが、イタリアでも去年からローマテルミニ駅、ミラノセントラル駅、フィレンツェSMN駅の、3つの駅にはホームとコンコースなどとの間にゲートが設置されています。

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この、イタリアの場合はブリュッセルとは違って、有人のゲートになっています。画像のように駅の各ゲートには、駅スタッフがそれぞれ立っていて、チケットがあるなしをチェックします。そしてチケットのある人のみがホームへ入場できるようになっています。

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特にパスポートや荷物のチェックまではないので時間もそれほどかかるわけではなく、もともと駅に改札があるのが当たり前の日本人にとっては特に違和感はないですが、一応これらの駅から列車に乗る場合には少し早めにチケットを取り出しておいた方がよさそうです。なおこのゲートで確認されるのはチケットを持っているかどうかだけですので、実際の検札は引きつづき乗車後の車内にて行われます。

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ちなみに下車の際は一応ゲートは通りますが、もちろんチケット等のチェックはありません。また、出迎えや見送りなどに行く場合は、今までのように列車のホームまでというわけにはいかず、残念ながら飛行機と同様のイメージで、このゲートでということになります。

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なおこのゲート設置の目的は、ブリュッセルのように料金の徴収ということではなく、ホームでの混雑防止による利便性や安全性の向上、また犯罪やテロなどの治安対策にあるそうで、実際スリなどはこのゲートができてから何割か減ったそうです。ヨーロッパの駅もあまり変わらないようでいて、実際にはその時の状況に合わせて変化しています。今後もそれぞれの駅がより便利で安全で、そしてより楽しく旅行ができるように変わっていて欲しいと思います。

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