さて前にもお伝えしましたように、先の12月にスイスアルプスを南北に貫く全長57キロの新トンネル(ゴッタルドベーストンネル)が開業し、そのルート上のチューリッヒ⇔ミラノ間の高速列車(EC)も一気にスピードアップされました。それまではこの両都市間は片道およそ4時間くらいかかっていましたが、それが3時間20分台まで短縮され、また運行本数も増えて、ぐっと便利になったのです。
この区間のECは車両的にはイタリアのETR610が使用されています。最高速は250キロを誇り、またカーブで内側に傾くチルトリング機能がついていて、こうした山岳ルートでもより速く走ることが可能にできています。デザインやカラーリングもイタリアっぽさを強く感じます。(レッド&ホワイトのスイスカラーの車両も走っています)
また車内もジウジアーロデザインで、モダン&シンプルな、なかなか居心地のいい雰囲気です。クッションの効いたシートなどインテリアも快適で、乗り心地も上々です。ただ書きましたようにカーブで内側に傾くこともあって、乗り物に弱い人はあまり外を見続けない方が安全かもしれません。
また今ではヨーロッパでも少なくなってきた食堂車もこのECではまだ健在です。この食堂車もなかなかモダンな雰囲気で、グルメの国イタリアの会社の運営となっています。山々や湖水など変わりゆく車窓の風景を見ながらの食事はなかなか格別な感じがあります。
なお途中、新ゴッタルドトンネルに入る前には一度トンネルに入る旨のアナウンスがあります。このトンネルは我が国の青函トンネルを超える57キロの長さで、今のところ鉄道トンネルとして世界一の長さを誇っています。トンネルに入るともちろん外は真っ暗ですが、ほぼ直線のため揺れもなく快適です。
スイスアルプスの山々や湖水、急流、そしてトンネルと、車窓風景も変化に富んでいて、この区間はそうそう退屈することのない3時間20分と言えます。スイスとイタリア2か国のユーレイルパスも今年からできましたので、今シーズンはぜひこのルートも利用して、スイスとイタリアを合わせての鉄道周遊がおすすめです!!
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