イタリアのドイツ語圏の南チロルからブレンナー峠を越えてオーストリアへ Italy South Tirol to Austria
ヨーロッパの南北を結ぶアルプス越えの鉄道ルートはいくつかありますが、その内の重要な1つが、ブレンナー(ブレンネロ)峠経由でイタリアのベローナとオーストリアのインスブルックを結ぶルートです。このルートは車窓風景の点でも文化的にもなかなか面白い路線です。
列車はベローナを発車すると北へ向かいます。徐々に山と山の間が狭まってきて、旅行気分も高まります。
そして峠へ向かう途中のボルツァーノは、南チロルと呼ばれる地域の中心都市になります。そしてこの地域はその名前でもわかるようにドイツ語が話されるエリアになります。そのため言語もイタリア語に加えて、ドイツ語も公用語となっていて、駅名はボルツァーノ(イタリア語)とボーツェン(ドイツ語)の両名併記となっています。
街へ出てみると表記はドイツ語メインで、街並みもイタリアというよりは明らかにオーストリアかドイツの雰囲気が感じられます。イタリアの独立戦争や第一次世界大戦など、このエリアの領有をめぐってオーストリアとイタリアで激しい戦いも行われましたが、現在はイタリア内のドイツ系の自治県となっています。
そしてボルツァーノから北へ向かうとさらに山が深くなっていき、峠も近づいてきます。冬の時期は雪にも包まれます。
そして標高1300メートルを越えるブレンナー峠に到着します。ローカル列車を利用する場合はここでオーストリア側の列車に乗り換えます。もちろんレイルジェットなどを利用すればそのまま乗り換えなくオーストリア方面へ移動ができます。
オーストリアのインスブルック行きの列車の車両はオーストリアの国旗の赤と白をを基調としたカラーリングで、なかなか新鮮です。
車内のインテリアもオーストリアらしく赤がベースです。こうして列車はオーストリア側の本家(?)チロル地方の中心都市のインスブルックに到着します。
美しい車窓風景ももちろん、ちょっとした文化や言語の違いも感じられるのが、ヨーロッパの列車旅の楽しみの1つかもしれませんね。
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