ナイトジェット カプセルタイプの新型クシェット ミニキャビン Nightjet Mini-cabin

人気の夜行列車ナイトジェットの新型車両ですが、そのトピックの1つがミニキャビンと呼ばれる新しいカプセルタイプのクシェット(簡易寝台)です。ヨーロッパの夜行列車の多くには、個室寝台とは別に、4~6人定員で相部屋またはミニグループ用にリーズナブルに利用できるクシェットが連結されていますが、相部屋の場合には、カーテンなど仕切りもなくプライバシーや防犯の面がちょっとネックでした。それに対しこのミニキャビンは、コンパートメントではなく、それぞれのベッドをカプセル的なキャビンにして独立させた造りになっています。

このミニキャビンでは上下2段のベッドが2列ずつ向き合っていて、 それぞれのベッドがシャッターで開閉ができるようになっています。シャッターはもちろんロックすることも可能です。隣のキャビンとの間には荷物用のロッカーが設置されており、フライトの機内持ち込みの上限程度の大きさの荷物は十分に入ります。それより大きい荷物は乗務員に伝えて預かってもらうことになります。

間違いなくこのミニキャビンは日本のカプセルホテルにインスパイアされたのでしょう。ですので日本人はわりとすんなり利用できるように思います。 上段へはステップを上って中へ入ります。ちょっとアクロバティック気味になりますので、その点では下段が便利かもしれません。

キャビン内に入って、シャッターを閉じると大体こんなイメージになります。さほど広いとまでは言えませんが横になったり、一晩を過ごすには十分に思います。日本のカプセルホテルを少し狭くした感じです。

ちょっと足が見苦しくて恐縮ですが、こんな感じで横になることができます。テーブルは跳ね上げると鏡になっていてなかなか機能的な造りです。また画像にもありますが、カードキーも付いていて、トイレなどに出るときは外からロックすることも可能です。

また奥のようには電源プラグも付いていて、wifiも利用可能です。枕と毛布はもちろん備わっています。 空調などもキャビンごとに調整ができますし、小さいながらも窓があり、外の風景を見ることもできます。

このようになかなか快適なキャビンで夜を過ごすと、翌朝は朝食がそのままキャビンの方へサーブされます。シンプルですが、なかなかクオリティ高めの朝食です。

シングルや2人部屋個室は高すぎるけれども、座席車や相部屋のクシェットには抵抗のある方に、料金とプライバシー性とが両立したこのミニキャビンはぜひお勧めです。からミニキャビンは新型車両のみの連結ですが、今後この新型車両も増備が進み、多くの区間で利用できるようになるでしょう。

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ナイトジェット 新世代車両 快適に進化中! Nightjet New Generation

オーストリアやドイツ、スイスを中心にヨーロッパ各国を結ぶ人気の夜行列車がナイトジェットですが、昨年末よりオールブランニューの新世代車両も導入が開始されています。

ヨーロッパではICEやTGVなど昼間の高速列車は新型車両の投入が相次ぎ、日々進化が続いていますが、 夜行列車に関しては、ナイトジェットも含め、以前からの車両をリニューアルする程度でなかなかハードウェア的な進化がありませんでした。その点から言ってもこの新型車両の登場は画期的と言えるでしょう。なお今のところはハンブルク⇔ウィーンやハンブルク⇔ミュンヘン(インスブルック)などの路線で使用されており、今後も増備が進められる予定となっています。

この新車両は、最高時速230キロまで対応可能なスピード性能も持ち、車体もよりなめらかな現代的なデザインとなっています。 また車内も同様にWIFIが利用可能となり、また客室にUSB電源も備わるなど、現代的な旅行形態に対応できるようになっています。

また車内インテリアも、今までのちょっとレトロな夜汽車イメージからぐっとモダンなデザインとなっています。こうしたタイムテーブルなどの情報をマルチに表示するモニターも装備され洗面台などの設備も一新されています。

従来からのクシェットは、2段ベッド×2の4人部屋が導入され、今までのような窮屈感もなくなっています。また個室寝台(Sleeper 1~2人用)についても、必要充分な設備をもったコンフォートと、より広くさらに快適なコンフォートプラスの2タイプとなり、どちらもシャワー&トイレ付となっています

また話題になっているのはミニキャビンと名付けられた、新型のカプセルタイプのクシェットです。比較的リーズナブルな料金で、かつプライバシーも保てるということで人気のカテゴリーとなっています。このミニキャビンについてはまた次回にご案内します。

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イタリアのドイツ語圏の南チロルからブレンナー峠を越えてオーストリアへ Italy South Tirol to Austria

ヨーロッパの南北を結ぶアルプス越えの鉄道ルートはいくつかありますが、その内の重要な1つが、ブレンナー(ブレンネロ)峠経由でイタリアのベローナとオーストリアのインスブルックを結ぶルートです。このルートは車窓風景の点でも文化的にもなかなか面白い路線です。

列車はベローナを発車すると北へ向かいます。徐々に山と山の間が狭まってきて、旅行気分も高まります。

そして峠へ向かう途中のボルツァーノは、南チロルと呼ばれる地域の中心都市になります。そしてこの地域はその名前でもわかるようにドイツ語が話されるエリアになります。そのため言語もイタリア語に加えて、ドイツ語も公用語となっていて、駅名はボルツァーノ(イタリア語)とボーツェン(ドイツ語)の両名併記となっています。

街へ出てみると表記はドイツ語メインで、街並みもイタリアというよりは明らかにオーストリアかドイツの雰囲気が感じられます。イタリアの独立戦争や第一次世界大戦など、このエリアの領有をめぐってオーストリアとイタリアで激しい戦いも行われましたが、現在はイタリア内のドイツ系の自治県となっています。

そしてボルツァーノから北へ向かうとさらに山が深くなっていき、峠も近づいてきます。冬の時期は雪にも包まれます。

そして標高1300メートルを越えるブレンナー峠に到着します。ローカル列車を利用する場合はここでオーストリア側の列車に乗り換えます。もちろんレイルジェットなどを利用すればそのまま乗り換えなくオーストリア方面へ移動ができます。

オーストリアのインスブルック行きの列車の車両はオーストリアの国旗の赤と白をを基調としたカラーリングで、なかなか新鮮です。

車内のインテリアもオーストリアらしく赤がベースです。こうして列車はオーストリア側の本家(?)チロル地方の中心都市のインスブルックに到着します。

美しい車窓風景ももちろん、ちょっとした文化や言語の違いも感じられるのが、ヨーロッパの列車旅の楽しみの1つかもしれませんね。
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