このルーマニアのブカレストと、オーストリアのウィーンとの間には実は直通の夜行列車が運転しています。 この間は運転距離が800キロ以上あり、またルーマニア内は運転スピードがあまり速くないこともあって、17時間ほどの所要時間 (そのためブカレスト発の時間は午後2時頃)となるのですが、 中欧の中心都市のウィーンと直結しているのはなかなか 便利に思います。
ブカレストからですと少々乗車時間が長すぎることもあって、今回ブラショフから乗車したのですが、徐々に夕闇に包まれる中、ホームに入ってくる夜行列車にはなかなかの旅情が感じられます。なおこの列車もユーレイルパスの利用が可能です。(別途寝台料金等要)
寝台はいつものヨーロッパの標準タイプで、折り畳み式の上下段ベッドになっており、シングルまたはダブル(トリプル)として使用します。今回はシングルでの利用です。車両はそんなに新しいとも言えませんが、シーツやマクラも含め、きっちり手入れされていてなかなかの清潔感です。
室内にはこうした服をかけておくハンガーも付いていて、1~2人で使うには十分なスペースだと思います。
ルーマニアっぽさを感じたのはこの洗面台で、照明はちょっと飾りっぽくなっていて、また鏡も3面鏡となっています。身だしなみチェックも楽そうです。
ベッドサイドには個別のライトや電源なども付いていて、ちょっと便利になっています。スマホなどの充電もばっちりです。
この列車には特に食堂車やバー車両などはありませんので、買い込んできたルーマニアのビールとスナックで乾杯です。軽く酔いが回った後は早速ベッドに横になっておやすみです。もちろん走行音などはしますが、慣れてくると特に気にならなくなり、そのまま眠りにつくことができました。
早朝、列車はウィーン到着前にブダペストに停車し、ここでかなりの乗客が下車します。なおこの前の未明に通る、ルーマニアとハンガリー(EU)国境では、ルーマニアがシェンゲン国ではないため、パスポートコントロールで叩き起こされます。利用する方はそのつもりでいた方がいいでしょう。
こうしてオーストリアのウィーンに到着です。ルーマニア鉄道(CFR)の車両での運行ですが、思ったより(?)快適で、乗車時間の長さも感じさせず、一晩を過ごすことができました。
オーストリアや中欧ではナイトジェットをはじめ今でも多くの夜行列車が健在で、交通手段の1つとして利用されています。今後のヨーロッパ旅行にはこうした夜行列車を組みこんで、より思い出深い旅にしてみてはいかがでしょうか?
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