森と湖の国フィンランドの高速列車S220ペンドリーノ SM3 Pendolino / Finnish Pendolino

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さて前回のノルウェーに続いて今回は同じく北欧のフィンランドです。

VR HEL

フィンランドのフラッグシップといえる高速車両が1995年から導入された、このSM3Pendolinoです。フィンランド内をS220ペンドリーノの列車名で、首都ヘルシンキと主要都市のタンペレやトゥルク、クオピオとの間などのメインルートを運行しています。

S220

このSM3は、エクステリアからも分かるようにイタリアのペンドリーノ車両ETR460をベースにした車両で、車体傾斜機能が付いており、カーブの多い区間でもスイスイと速く走ることが可能です。またS220の列車名の通り営業運転の最高時速は220キロに達します。ちなみにフィンランドはレール幅が通常のヨーロッパの標準(1435ミリ)より広い1522ミリとなっており、もちろん車体もそれに合わせて作られています。

S220INSIDE

また車内は1等(フィンランドではEKSTRAクラスと呼びます)と2等から構成され、1等はゆったりした2+1列のシートでドリンクのサービスも付いています。もちろんいずれのクラスでも車内は快適です。

S220DRINK

オーロラも楽しめる今後のフィンランド旅行の際はぜひこのS220ペンドリーノなど便利で快適な列車をご利用ください。

S220 EKSTRA

ちなみにフィンランドとロシアのサンクトペテルブルクを結ぶアレグロに使用されている車両はSM6で、見た目はかなり似ていますが、中身はより新しいETR610の機能が取り入れられています。次回はロシアの車両を取り上げるようにします。

ALLEGRO

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フィヨルドも美しいノルウェーの主要ルートを結ぶクラス73車両 / Norwegean train Class73

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今週から7月に入りましたが、今回は今の時期白夜でも有名な北欧のノルウェーです。

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ノルウェーは国土が山がちということもあり、スウェーデンと同様TGVなどのような最高時速300キロクラスの列車は運行していませんが、そんなノルウェーで、首都オスロとベルゲンやスタバンゲル、またスウェーデンのヨーテボリなど主要都市間を運転しているのがこの長距離用車両のClass73です。

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このClass73は1999年に運用がスタートした車両で、当初はシグナチュール(Signatur)の列車名で運行されました。最高速は控えめの時速210キロとなりますが、チルト(車体傾斜)機能が付いていて、山の中のカーブの多い区間でもより速いスピードで走行できるようになっています。車内のインテリアにはウッドがかなり使われていて、ナチュラルでモダンな印象です。もちろん快適性は問題ありません。

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またノルウェーの列車で特徴的なのは、原則として座席クラスが2等(スタンダード)のみとなっている点で、そのためお席はいずれも2+2席の4席配置となっています。なお長距離を走るベルゲン線などについては、よりハイグレードでドリンクなどのサービス付きの2等コンフォート(Konfort)席も設定されていますので、プラスのサービスが希望の場合にはお勧めです。(ドリンクに関しては通常2等でも車内の自動販売機等で購入することが可能です)

VY73

ノルウェーの列車は山の中を走ることが多い点もあってどうしても所要時間が長めにはなりますが、その分車窓風景もガッツリ楽しめるかと思います。ぜひ今後のノルウェーの都市移動やフィヨルド観光の際には列車をご利用ください。

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イギリス 日立製の新型高速車両 クラス800 / UK class800 by Hitachi

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6月も下旬に入り、日本でもヨーロッパ各国でも経済活動が徐々に再開してきていますが、今回はイギリスの高速車両です。イギリスは、他のヨーロッパ大陸の国々と比べて高速列車の発達が遅れてきましたが、そんなイギリス内で2017年より導入が開始となったのがこのクラス800です。

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クラス800は日本の日立製作所によって開発された新型車両(製造はイギリス内)で、初めにロンドンとバースやブリストルなどとの間の西方面の路線(グレートウエスタン社)で運行をスタートし、さらに昨年からは「AZUMA」のネーミングで、主要幹線の東海岸線(ロンドン/エジンバラなど)でも運転を開始しています。

UK AZUMA

最高時速は、イギリスの線路事情に合わせて200キロ程度と控えめですが、以前のIC225などと比べると快適性や経済性などはぐっとアップしています。こうした日本ベースの車両が採用されるのは日本人としてはうれしい限りで、今後さらに他の幹線区間でも導入が進む予定となっています。

cl800inside

なおロンドンとマンチェスターやグラスゴーなどを結ぶ西海岸線では、ヴァージントレインズ以来のペンドリーノ車両(クラス390)が運行されており、当面イギリス内の高速列車はこのクラス800とペンドリーノが担っていくこととなります。また今後ロンドンとバーミンガムなどを結ぶ高速新線(HS2)が開業すればさらに最高時速300キロクラスの高速車両も導入されるでしょう。

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こうした新車両の導入でイギリスでの列車利用がさらに便利で快適になっていますので、ぜひこれからもイギリス内の移動には列車をご利用下さい。

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イタリア フレッチャアルジェント用のペンドリーノ車両 ETR600 / Italian pendolino ETR600

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今回はまたイタリアに戻って、トレンイタリアのフレッチャアルジェントで使われている高速車両のETR600です。フレッチャアルジェントはフレッチャロッサとも並ぶトレンイタリアの高速列車で、その名前(イタリア語で銀の矢の意味)のようにシルバーを基調としたカラーリングが印象的と言えます。

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このETR600は2008年に営業運転をスタートした車両で、最高時速自体は250キロに抑えられていますが、その特徴は前回のX2000同様に、車体傾斜機能(チルト機能/振り子式)が付いている点です。ですので高速新線以外のカーブの多い従来路線でも車体を傾けて速く走ることが可能となっています。

ETR600

イタリア内では主にローマやフィレンツェとベネチアを結ぶルートの他、リミニやバーリ、ボルツァーノなど高速新線の開通していない区間などをメインに走行しています。

ETR600 inside

高速新線上のナポリ/ローマ/フィレンツ/ミラノなどの移動についてはやはり看板列車のフレッチャロッサを利用することが多いですが、それ以外の区間ではこのETR600(フレッチャアルジェント)を利用するケースが多くなります。

ETR600 side

イタリア旅行に行けるようになるのは秋以降になるかと思いますが、その際にはぜひご利用ください。

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スウェーデンの高速車両X2000/ Swedish high speed X2000

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6月に入って少しずつ夏っぽい気候になってきましたが、今回取り上げるのは北欧スウェーデンの高速列車X2000です。

X2000 STO

このX2000はスウェーデン国内のストックホルムとヨーテボリやマルメなどの主要路線を運行する他、お隣のデンマークのコペンハーゲンや、季節によってはノルウェーのオスロにも乗り入れ、北欧を代表する高速列車と言えます。一時SJ2000(SJ=スウェーデン国鉄)と呼ばれていた時期もありましたが、現在はSJ3000(比較的短距離向け)などと合わせて、SJSnabbtåg(SJ高速列車)として運行されています。

X2000 GOT

このX2000の場合は、ICEやFロッサのようにもともと高速新線上を走る前提ではなく、通常路線を走行する用に作られており、営業運転上の最高時速は200キロ(最大210キロ)に抑えられている一方、車両には車体傾斜(チルト)機能が付いていて、カーブなどでもより早く走ることができるようになっています。これで例えばストックホルムとコペンハーゲン間の場合はおよそ5時間で結ばれています。
X2000 GOT 3

またクラスは1等と2等に分かれていて、1等にはドリンクのサービス(平日は時間帯によって朝食サービスあり)が付いています。車内はウッドも使われてちょっとナチュラルの雰囲気で、なかなか居心地が良く、快適なイメージです。なおこのX2000のデビューは1990年で、それなりに年月も経ってきていますが、車内外の改装やリニューアルも進められ、実際に乗車すると他国の最新の車両と比べても特に遜色は感じられません。

X2000 INSIDE

スウェーデンも含め、ヨーロッパでも徐々にロックダウンの解除が進み、通常生活への回帰が進められています。今後の北欧への旅行の際にはぜひこのX2000をご利用ください。

X2000 GOT TOP

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ドイツの最新のICE車両 ICE4 / newest and clever ICE

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ドイツを含め、ようやくヨーロッパ各国でも以前のロックダウン状態から徐々に経済の再開が進められていますが、そんなドイツで2017年から導入された新型のICE車両がこのICE4です。

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ICE4は、2017年12月にハンブルク⇔ミュンヘン間で運用が開始され、その後ベルリンも含め徐々に運行列車を拡大し、昨年末からは国際区間でも使用されるようになるなど、今やICE3と並ぶICEの主力車種の1つとなっています。

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このICE4は、現在のICEのフラッグシップ車両のICE3の進化版というわけではなく、むしろ効率性や環境性能などを重視した車両で、最高時速は250kmに抑えて、ドイツ内で高速線から準幹線までマルチに使用できるように造られています。また客席数が多く、一度に多くのお客さんを運べるのも特徴です

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エクステリアは今までのICE車両と比べると直線的なスタイリングが特徴的で、ヘッドライトのあたりは好き嫌いが分かれそうなデザインですが、新鮮なイメージは伝わってきます。車内のインテリアに関しては、重厚感のあった従来のICE3などと比べると、比較的シンプルでライトな雰囲気になっています。

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このICE4は、当面少々年季が入ってきたICE1車両の置き換えに使われ、さらにその後は現在はICとして運転している列車のICE化にも使われていく予定となっています。将来的にドイツの高速列車ネットワークでは、主要高速線ルートはICE3が、それ以外はICE4が、それぞれメインで使用されていくことになるようです。

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今後ドイツ内の列車移動ではさらにこのICE4を利用する機会が多くなるでしょう。

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イタリア イタロの主力車両AGV(575) Fロッサのライバル / Italo AGV

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ようやく日本では緊急事態宣言が全面解除され、ヨーロッパでも徐々にロックダウンが緩和されて列車運行も段階的に正常化が進められていますが、そんな中で先週5/21に通常運行への第一歩としてスケジュール改正をしたのが、このイタリアの新高速列車のイタロです。イタロはイタリアでの鉄道のオープンアクセス化に合わせて2012年に運行を開始しましたが、そのデビュー以来主力車種となっているのがこのAGV(575)です。

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AGV575はフランス系のアルストム社製で、もともとTGVなどの技術をベースにしていて、イタロでの最高運転速度は300KPH(設計上は360kph)に達し、ライバルのフレッチャロッサ500や1000に引けを取りません。また外見上はこの落ち着いたレッドの色合いがイメージカラーとなっています。

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また利用クラスは、4タイプに分かれていて、それぞれ、スマート(2等)、コンフォート(中間クラスで席は1等と同等)、プリマ(1等)、クラブ(特等に相当/個室もあり)となっています。なおプリマにはドリンク等のサービスが、さらにクラブには食事のサービスもついています。(下の画像はスマートになります)

ITALO INSIDE

もともとの国鉄であるトレンイタリアが運行するライバルのフレッチャロッサに比べると、車内や乗務スタッフの雰囲気はどちらかと言うとカジュアルなイメージです。どちらが優れているというよりは、利用する側の好みやその時の旅行スタイルなどで利用する列車を決めるのがいいと思います。

ITALO INSIDE

ぜひ今後、またヨーロッパとの間の渡航が普通に可能になって、イタリアを旅行される際にはFロッサなどと合わせてこのイタロもご利用ください。

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タリス 4カ国乗り入れ可能のPBKA車両/ Thalys PBKA trainset for 4 countries

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さて今回はフランスとベネルクス(ベルギーとオランダ)そしてドイツを結ぶ高速列車のタリスです。タリスの車両は画像のようにフランスのTGVをベースにしていて、その中でドイツを含めた4か国に乗り入れ可能なのがこのPBKA車両になります。

THALYS KOELN

「PBKA」の名前は、この車両が乗り入れ可能な、フランスのパリ(Paris)、ベルギーのブリュッセル(Brussel)、ドイツのケルン(Koeln)、オランダのアムステルダム(Amsterdam)のそれぞれイニシャルから来ていて、タリスがケルンへの乗り入れを開始した1997年から運用がスタートしています。

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また車両自体は、TGVデュープレックスのモーター車両(先頭と後端)に通常の客席車両(2階建てではない)を組み合わせたような構成で、最高運転速度はTGVと同様300KMHに達します。

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画像にあるようにタリスはちょっと深めの赤がイメージカラーとなっていて、エクステリアと同様に車内のインテリアもそのレッドカラーで統一されています。クラスはもちろん1等と2等とに分かれていますが、タリスの場合はさらに1等が、食事などのフルサービスタイプの「プレミアム」と、特にそうしたサービスなしの「コンフォート」の2タイプとなっていて、希望に応じて選ぶことができます。またもちろん車内にはWIFIも備わっていて、快適に過ごすことができます。

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なおこれ以外にもタリスは、ドイツのデュッセルドルフやドルトムント、またフランスのマルセイユなどにも乗り入れています。この4か国の主要都市間の移動にとても便利な列車ですので、これからのヨーロッパ旅行にぜひ利用して欲しいと思います。

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ここのところ日本でもヨーロッパでもウイルス問題は着実に明るい方向に進んでいるようです。今後日本からヨーロッパへの旅行も年内(秋以降)あたりにはまた再開となって欲しいですね。

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スペインAVE S-103/ high speed in Spain

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ここのところ日本もヨーロッパも徐々にウイルス問題は明るい方向に進んできていて、今後の海外旅行にも少し希望が見えてきた感じですが、今回取り上げるのはスペインの高速列車AVEです。AVEには、最初に導入されたTGVベースのS―100、自国のタルゴ社製のS―102といったいくつかの車両が採用されていますが、その中で現在主力車種となってきているのがこのS―103です。

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シルエットでもよく分かるようにこのS―103はドイツのICE3がベースとなっており、最高運転速度は300KMHに達します。車内は通常の1等(プレフェレンテ)と通常の2等(ツーリスタ)に加えて、中間クラスで席自体は1等のツーリスタプラスの3クラスに分けられており、スペイン一番のメインルートのマドリッド/バルセロナ線などを中心に運用されています。

AVE TOURISTA

車内のインテリアはICEと比べると大幅に変更されており、ヨーロッパの車両としては画期的に座席が一部のボックス席を除いて進行方向を向くようになっています。また1等(プレフェレンテ)には利用日や時間帯などにもよりますがおおむね食事のサービスもついています。

AVE MEAL

スペインはレールの幅が他のヨーロッパ諸国と異なっていたため、高速列車の運行スタートはフランスなどに比べやや遅めになりましたが、1990年代以来ヨーロッパ標準のレール幅の高速新線が各地に建設され、こうしたAVEなどが運行するようになり、今ではまさに一大高速列車大国となっています。今後はさらにこうした高速新線ネットワークが国内にくまなく張り巡らされ、フランスなどとの連絡も強化される予定です。このスペインAVEの利用は今後より便利になっていくでしょう。

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フランスの新世代TGVのTGV-inoui / nouveau TGV

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ヨーロッパでも多少ウイルス拡大が落ち着いてきて、フランスも含め各国そろそろロックダウンの緩和を進めようというところですが、そのフランスの高速列車TGVは現在ブランドや運行体制を、アッパー向けのTGV-Inouiと、よりベーシックなLCC的な位置づけのOuigoの2本立てに分ける戦略を進めており、下がTGV-Inouiとしてリニューアルを済ませた新世代のTGV車両になります。(車両としてのネーミングはもともとTGV Océane)

TGV MRS

エクステリアは、デュープレックス(2階建て車両)TGVをベースに、新たにホワイトとレッドとブラックをベースとしたカラーリングでが使用されていて、なかなか新鮮なスタイリングとなっています。

TGV BOD

車内のインテリアも大幅にリニューアルされ、下の画像の1等はプライバシー感もあってなかなか心地よい雰囲気です。またWIFIなどの車内設備も完備されるようになりました。

TGV-INOUI INSIDE

もちろんバー車両も付いていて、ちょっとしたドリンクや食事関連はここで購入し、その場で食べることも、座席に持ち帰ることも可能です。

TGV-INOUI BAR

フランス国鉄SNCFでは今後数年中にこうしたリニューアルを済ませ、TGV-InouiとOuigoで、航空会社や格安バスなどと対抗しさらにネットワークを発展させていく予定です。これからもフランス内やその周辺国への移動には、さらに進化を続けるこのTGVをぜひご利用ください。

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なお連休期間のため、来週はこのブログはお休みとさせて頂きます。再来週にはウイルスの状況も好転してて欲しいものです。